堀・船津の中国旅行記
雲 南 省

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雲南省北部は、西蔵(チベット)との陸の交易路「茶馬古道」として知られます。雲南省の茶や塩などが、麗江・香格里拉・徳欽を通り、西蔵に運ばれました。西蔵からは、毛皮や薬剤が運ばれました。現在はかなりの部分が舗装され車も通れるようになっているそうです。特に、麗江〜香格里拉は、幹線道路152号線として、香格里拉〜徳欽は、幹線道路184号線として整備されています。香格里拉で天候に恵まれなかった私達は、幹線道路152号線を南下し、麗江に向かう事にしました。
香格里拉〜麗江ルートは、チベット高原に源を発し、上海まで流れる長江に沿って走ります。途中、虎跳峡・長江第一湾・石鼓鎮の名勝地や、哈巴(ハーバー)雪山や玉龍雪山の雄大な景色を眺める事ができます。(・・と言う事ですが、生憎天気が悪くて見えませんでした)。標高差は約1000m、距離約200キロです。山道なので寄り道しないでも、5〜6時間はかかります。
香格里拉を出発ー私達は、香格里拉を案内してくれた、チベット族の格桑さんをガイドに、早朝、香格里拉を出発しました。天気は曇天。市内を出ると、チベット族が牛を追う姿が見られました。これから放牧に連れて行くのでしょう。舗装道路ながら、デコボコ道で、曲がりくねった山道は、ビデオを回すには一苦労するほどです。車はどんどん下っていき、気圧が上がっていくのが、身体で感じられます。ホテルで用意してきたペットボトルは、気圧の上昇でペシャンコに押しつぶされています。まもなく、長江(長江上流は正確には金沙江と呼びます)に沿った道路にでました。見上げると雲の切れ間から、時々雪山が望めました。哈巴雪山(5396m)の峰々です。雲南省の由来、「成都の南の雲の彼方にあるところ」を実感する瞬間です。(左枠内のビデオボタンを押すと、車からの様子が、ビデオ映像でご覧いただけます
虎跳峡鎮ー程なく、車は虎跳峡鎮の村に到着しました。小さな田舎の村です。ここで昼食をとりながら一休みすることにしました。この辺りは、哈巴雪山自然保護区です。
虎跳峡ー虎跳峡鎮から車は、幹線道路152号線から左に折れ、長江を渡って、急な岩だらけの道を登っていきます。まもなく眼下に虎跳峡の渓谷が見えてきました。虎跳峡は高低差が3キロもある大渓谷で総延長が15キロもあります。この渓谷は哈巴雪山と玉龍雪山の間にあり、古代の地殻変動によって両山が分断され深い渓谷を形成したものだそうです。その昔、虎がこの谷を飛び越えたとの伝説が虎跳峡の由来になっています。谷底の幅は僅か30m足らずで、長江の中でも最も川幅が狭くなる所で、その激流の様は、足がすくむほどです。駐車場から谷底までは3キロ、階段を下っていけば、激流の側に立つ事ができます(左枠内のビデオボタンを押すと、虎跳峡と激流の様子を、ビデオ映像でご覧いただけます

ボタンをクリックするとビデオ映像がご覧頂けます。

長江第一湾ー車は又、幹線道路152号線に戻り、長江沿いの道を更に50キロほど走ります。この辺りまで来ると、チベット族から納西族の生活圏に変わって行きます。まもなく石鼓鎮(村)です。虎跳峡で激流となった流れも、この辺りで川幅が広く、流れは緩やかになります。石鼓鎮周辺には海羅山があり、その岩盤に阻まれ、チベットから南下してきた長江は、ここで方向を北に変え、上海に至ります。長江が最初に大曲する事と流れが緩やかである事から、第一(の)湾と呼ばれるようになりました。ただ、第一湾の大曲がりは地上からでは分かり難く、周辺には展望台もありません。第一湾の流れと、そのバックに玉龍雪山を望む雄大な眺めは、航空写真で確認するしかないようです。
石鼓鎮は、麗江からは北へ70キロ程のところにあります。納西族が多く住み、チベット貿易の拠点として栄えました。500年前の明時代、チベット族と納西族の戦いがあり、納西族の戦功を記念して彫られた石碑が建っています。漢柏玉と言う石で作られ、鼓の形をしています。道端には露天が並んで、みやげ物を売っていますが、真鍮製の小物などは、何処となく拉薩の露天で売っているものと似ていました。チベット文化との交わりが感じられました。
峠越えー石鼓鎮を出発した車はやがてツヅラおりの急な坂道を登りはじめます。ここから、麗江に至るには3000mの峠を越えるのです。視界ゼロの雲中走行になりました。石鼓から麗江に至るこの道は、玉龍雪山の西側山麓をぐるっと周る感じになります。ガイドさんの話では、天気がよければ峠の上から、山又山の大眺望が広がるとのことでした。1時間以上も走ったでしょうか、峠を越えると一面の緑と黄色い花の咲く畑が広がってきました。もう麗江は真近です。
麗江の街が近づいてくると、独特の黒い屋根瓦を持つ納西族の民家が増えてきます。途中、牛や馬の市が開かれている所に出会いました。夕方6時過ぎに、麗江につきました。ホテルは2年前に宿泊した雲南麗江金穂賓館でした。私達は早速、麗江市内や古城を見て周りました。2年前とは街の様子もかなり変わって近代化されていました。少し残念な気がしました。


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[特記事項]
このルートのその他の観光地
お天気さえ良ければ、万年雪を頂く山々や森林など、自然の景色を堪能できるコースです。
新しく出来た麗江の劇場:中国麗江民族文化交流中心(少数民族のショーをやっています。いつも満員なので、早めにチケットを予約した方が良いです)
有名な料理
:料理は辛いもの中心。
美味いもの:鶏椀豆涼粉(ビーフン料理の一種)、日本のお好み焼き風の料理もあります。
特産品:茶
少数民族:納西族

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.R.HORI & Y.FUNATSU
公開日: 2002.08.10 更新日2013.03.01