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堀・船津の中国旅行記
湖北省


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武漢市武昌区にある宏基客運駅8:20発の長距離バスで、9:50頃赤壁市の赤壁客運中心に到着しました。武漢からG4京港澳高速道路を通って約90キロ、高速を降りてから更に国道107号線を通って約30kmキロ走ります。武漢からの総距離は約120キロ、所要約1時間半位です。バスの便数が多いので、多少無理すれば武漢からの日帰り観光も可能なようでした。
<赤壁市の概要>赤壁(Chibi)市は、湖北省東南部の咸寧市に属する県級市で、人口は52万人(2009年)、長江の東南岸付近に位置しています。三国時代の西暦208年に、呉蜀連合軍と魏が戦った「赤壁の戦い」の古戦場がある事で有名です。戦いの当時、この辺りは蒲圻(ほき)と呼ばれていたそうです。1986年に蒲圻市となり、1998年に長江南岸の赤壁山(赤壁古戦場)にちなみ、赤壁市となりました。
注意したいことは、赤壁と言う地名が湖北省に2か所ある事です。赤壁古戦場は「蒲圻赤壁」とか「武赤壁(戦いがあった赤壁)」と呼ばれます。もう一方の赤壁は湖北省黄岡県にある「黄州赤壁」とか「文赤壁(詩文の赤壁)」と呼んで区別されています。宋代の詩人蘇軾(そしょく)の詩文「赤壁の賦」にちなんだものです。
<赤壁市への入り方>赤壁市に近郊の都市から入るには長距離バスが便利です。赤壁市の長距離バスセンターは赤壁市客運中心です。赤壁市の東側の街外れに出来た比較的新しい駅舎なので、武漢の様な混雑状態はなく整然とした駅です。詳しくは特記事項をご参照下さい。列車の場合は在来線の赤壁駅もあるのですが停車する列車がほとんど無いため利用するのは難しいようです。しかし2009年末に京广高速鉄路(北京と広州を結ぶ中国自慢の高速動車組列車で最高時速は300キロ以上)の赤壁北駅が完成し営業を始めていますから、こちらは旅行者にとっては大変便利です。詳しくは特記次項をご参照ください。

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<赤壁古戦場への行き方>赤壁古戦場に向かう公共バスは、(市内や近郊を結ぶバスのバスセンターである)城西停車場(赤壁市蓴川大道)から出ています。市の中心部から西に3〜4キロの旧市街にあります。赤壁古戦場行きのバスは、城西停車場前の路上に駐車しています。バスの切符はありません。勝手に乗って待っていると、バスが出発する時に車掌(車掌は普通のおばちゃんの格好をしています)がお金を集めに来ます。赤壁古戦場までの距離は約40キロ、所要時間は約40分、運賃は9元です。バスの終点は、赤壁古戦場前のロータリー広場(3段目の図@の場所、以下番号のみ記載)となります。広場の中心にはモニュメントが建っています。広場は5差路になっていますが、広場北側の景区石坊Aがある道を10分程歩いた所に赤壁古戦場の正門の表示Bがあります。左に入って行くと正門Cがあります。正門の前には、帰りの客を拾うタクシーが数台待っていますが、かなりの料金(500元とか言っていました)を吹っかけてきますから、公共バスを利用する方が安心です。田舎街ですからバスは早く終わってしまいます。最終は18時位でしたから、事前に終バスの時間を確認しておくと安心です。
<赤壁古戦場からの帰り方>古戦場の観光が終わったら、古戦場正門Cを出て、来た時の道を10分程歩いて赤壁古戦場前の広場@まで戻ります。広場の右側に数台の赤いバスが停まっていますから、客が乗っているバスを探して乗ります。バスは満員にならないと出発しませんから気長に待ちましょう。バス料金は、来た時と同様、バスが出発する時に車掌が集金に来ます。運賃は9元です。バスの終点は、城西停車場です。城西停車場は旧市街の真っただ中にありますから、時間があれば旧市街の散策なども面白いです。
<赤壁古戦場の歩き方>では本題の赤壁古戦場の歩き方をご紹介します。その前に書いて置きたい事は、ここは三国志最大の見せ場「赤壁の戦い」の遺跡と言うより、「赤壁の戦い」を映画化した「レッドクリフ」を題材にして建設されたテーマパークみたいな所です。正門近くには大きなホテルが併設されていたり、広場中央には演劇やショーが行われる舞台(上演している気配は無し)があったりで、どちらかと言うとディズニーランドの中国版と言った方が分かりやすいかと思います。ただ、見た感じではホテルは閑散としているようだし、広い駐車場もガラガラで、こんな辺ぴな所まで遊びに来る人は多くないのでは?と思われました。テーマパークの中は広大ですから、要領よく見て回る必要があります。三国志フアンにとっての見所は西側(正門を入って左側)に集まっており、東側はテーマパークゾーンさながらに箱物が一杯の様相になっています。歩き方としては、左側(西側)から歩き始めて、最北端の長江岸にある摩崖石刻Kを目指します。帰り道となる東側は残り時間と相談しながら、正門を目指せば良いと思います。ではここでは、左側周りで主な見所を紹介しますから三国赤壁古戦場景区全景図(3段目の
図)に付した番号を参照しながらご覧ください。


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C赤壁古戦場の正門=正にテーマパークゲートと言う表現がピッタリの新箱物です。多くの費用と時間をかけて赤壁古戦場を見に来た三国志フアンにとって、あまりのイメージの違いにガックリするやら、思わず苦笑するやらの入口です。 入場料150元はチト高いかナ〜。中に入ると広場の中央にこのようなものが建っています。重厚な金属製に見えますがプラスチックとコンクリートでできた作りものです。そこそこに見たら左奥に見える石段の方に歩いて行きます
D鐘鼓楼と財神殿=こちらも新しい箱物です。財神殿の中央の坐像は関羽像その左が養子関平、右は関羽の側近周倉です。商売の神様として各地に祭られている関羽廟と同じものです。日本で言えば弁財天のようなものです。特に歴史的な建物ではないので写真だけ撮って終わりにしました。
E授計堂=長い階段を上った所にあります。英文表記はImpartation Hall(分与ホール)となっていますが、説明書がないので意味不明です。ここの右の道を進みます。
F鳳雛庵=案内版にそって坂を下って行くと林に囲まれた中にあります。赤壁の戦いの後、劉備の軍師となった☆統(☆は广に龍で=ほうとう=pang tong)の住居跡です。諸葛亮が通称を「臥龍(がりゅう)」と呼ばれていた事に対して、☆統の通称は「鳳雛(ほうすう)」と呼ばれていた事から鳳雛庵となっている所以です。清代に再建されたものです。傍には鳳雛を象徴する鳳凰の石刻があります。屋根の龍も必見です。鳳雛は、赤壁の戦いの時は呉軍にあって、周愉と「連環の計」(魏の軍船をつなぎ合わせ火責めで船を燃やした)を巡らし呉蜀連合軍を勝利に導く功績があったとされます。庵の中には☆統の像が安置されています。
G三国彫刻園=鳳雛庵から更に赤壁古風と書かれた門がある石段を下りて行くとあります。三国関連の人物像が並べある公園です。呉軍の孫権像、「桃園の誓い」の劉備・関羽・張飛三兄弟像、姉(大喬)が孫策に妹(小喬)が周瑜に嫁いだ姉妹像などがあります。真新しいものですが、まあ記念撮影するには良いかもしれません。


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H拝風台=更に先に進むと右に登る石段の上にあります。つなぎ合わせた魏軍の船を火攻めにする為、諸葛亮が天に祈り東風を起こしたとされる場所です。この建物は当時あったものではなく、後に諸葛亮を神として祭る為に作られた社(やしろ)みたいなものです。その為建物は拝風台となっていますが、中は武候(諸葛亮の意味)宮となっています。中国には「武侯祠」と言う諸葛亮を祭る霊廟が各地にあります。ここもその一つと言えるでしょう。そんな背景から、拝風台には赤壁の戦いの主力だった呉軍の孫権や周愉の姿はありません。中には、劉備、関羽、張飛と諸葛孔明の4人の彫像、東南の風を呼んでる諸葛亮の壁画、天下三分の計の壁画等があります。
I諸葛連弩=更に先に進むと道端に池でとったのでしょうかこんな風景もありました。間もなく古ぼけた門の向うに池が見えます。中に入って、案内版に沿って池を通り過ぎると、諸葛連弩と書いた看板が見えてきます。諸葛連弩(レンド)と言うのは、諸葛亮が発明されたとされる連続で矢を発射できる装置の事です。その側に諸葛亮が指揮をとったとされる砦があります。
J周瑜石像=砦を過ぎるとM赤壁大戦陳列博物館がありますが、ここは帰りに入る事にして先へ進むと、道が左右に分かれます。左の坂道を登って行くと広場に見上げるほどの周瑜石像が建っています。周瑜(175―210)は、呉の孫策とその子の孫権の二代に仕えた将軍です。赤壁の戦いでは大軍を擁する魏軍に対抗するため蜀の劉備と同盟を結び、赤壁の戦いに勝利した英雄です。この広場からは広い長江が見渡せます。赤壁古戦場はテーマパークとなってしまいましたが、長江の流れだけは2000年前のままかな〜とか思いながら三国志の世界に思いを馳せた一時でした。
K摩崖(赤壁)石刻=広場の左脇にある石段を下りると、そこに赤壁の戦い後に周瑜が剣で赤壁の文字を刻んだという崖があります。「摩崖石刻」です。一文字の大きさは、縦150p、横104cmで、想像したより小さいものでした。赤壁文字の上に白い文字が見えますが「鸞」という文字だそうです。全国行脚していた唐代の道士「呂洞賓」が当地に辿り着いた時、赤壁の戦いで命を落とした何万と言う兵士の亡霊の泣き声が聞こえた為、この文字を彫って霊を弔ったのだそうです。
以上ここまでが、主な見所の紹介でした。ここからはテーマパークの東側の道を通って最初の正門へ戻る事になります。帰り道はテーマパークの箱物通りとなりますから簡単な説明に留めます。

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L旅遊埠頭=周瑜石像広場から長江の右を見ると埠頭が見えます。標識に沿って階段を下りていくと埠頭に出ます。当時の船らしきものが係留されています。
M赤壁大戦陳列博物館=長江を背にして坂を上って行くとあります。館内のスクリーンで赤壁の戦いの場面を上映しています。その他当時の地図や武器が展示されています。
N漢代民居=当時の庶民の住居を再現したもです。
O赤壁塔(右の写真)
=当時の呉軍の砦が再現されています。中に入ると赤壁塔があり、案内版には呉軍周喩の指揮センターだったと記されていました。階段は7層ありかなりの高さです。ここは頑張って登るだけの価値はありますよ。最上階に立つと360度の眺めがあり、古戦場の全景が眺めれれる他、長江を遠望する事ができます。すぐ下には実物大に再現された軍船を見ることが出来ます。
P金城=金城の陣と言われるもので、敵を誘い込んで撃破するように作られた城を再現したものです。小城郭、落とし穴、狼の牙のようにとがった扉等で、十重、二十重に防御線が作られています。
Q神武台表演区=演劇やショーが行われる舞台
これで一周りした事になります。この後は、前述した「赤壁古戦場からの帰り方」の通りです。
<その他の見所>
庶民の暮らしに触れあえる場所ー赤壁古戦場で乗ったバスは城西停車場に到着します。ここから☆(草冠に純)川大道を西へ10分(1キロ)程歩き、沿河大道を左折して北へ5分(500m)程歩いた所に蒲圻大橋(陸水川に掛かる橋)があります。この辺りから河北大道の交差点周辺が、特に賑わっています。橋の脇には陸水公園があってその先の歩道は麻雀やゲームに興じる人で溢れんばかりです。交差点周辺は露天で賑わっています。夜ともなると河北大道の歩道は野外レストランの様相となります。蛙やザリガニの料理は如何ですか?長江の恵みの庶民料理とか・・。
翌朝、赤壁北駅7:35の動車組(G1101号)二等座で広州に向かいました。中国新幹線は日本の新幹線の車両をモデルとしているので二等座でも快適です。朝の待ち時間に売店で購入したものを朝食代わりに車窓を眺めながらノンビリ過ごせた(広州までの)3時間半でした。
広州到着後地下鉄で白雲空港まで行き、帰国の途に着きました。
私達の中国全省制覇の旅は、赤壁をもって大願成就となりました。西はパキスタン国境のタシュクルガン、南はチベットまで全31省地域を、年一回旅行(半月程度)のぺースで、13年掛かりでした。
<赤壁での日程紹介>
(7/1)武漢市宏基客運駅8:20発→長途巴士(120km)→9:50赤壁市客運中心→10:20金橋国際大酒店11:00→城西停車駅11:25→12:05赤壁古戦場15:55→バス9元→16:25城西停車駅→17:00金橋国際大酒店→夕食
(7/2)金橋国際大酒店6:30→6:35赤壁北駅→動車組(G1101号)7:35→11:05広州南11:15→(地下鉄)→12:30広州白雲空港


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[特記事項]
記載情報の入手日(=旅行日):2012年7月
長距離バスのアクセス:赤壁市の長距離バスセンターは赤壁市客運中心(湖北省咸寧赤壁市河北大道)で、市の中心部から東へ4キロ程の街外れにあります。向かって左がチケット売り場、右が入場口です。長距離バスのチケットは市内中心部(赤壁市河北大道)にある客運中心售票庁でも購入できます。場所は金橋国際大酒店から河北大道を東に50mの所にあります。
動車組でのアクセス:京广高速鉄路(京広線)の赤壁北駅を利用します。市街地の南に出来た新しい駅で駅前は何もありません。中心部からは2キロ程です。乗車する動車組(G1101号)7:35発は、この日の始発列車だったので、6時半過ぎに駅に着いても、入口はまだ閉まったままでした。結局30分程、入口で待たされました。なんとも中国らしいところです。京広線は、北京と広州を結ぶ路線で、北京→鄭州(ていしゅう)→武漢→赤壁→長沙→広州という経路を辿っていて、この京広線のうち、武漢と広州の間が高速化されています。赤壁北駅を通る動車組は、時速300キロ超(車次記号G○○○○号)と250キロ超(車次記号D○○○○号)の二種類があります。上り下りとも1時間に1本強あります。G号を利用した場合は、赤壁北駅からは、武漢までが33分、 長沙までが50分、広州までが3時間半程度です。G号の赤壁から広州までの運賃は二等座(席)で415元、一等座で660元です。
宿泊したホテル:金橋国際大酒店(3星級)湖北省赤壁市河北大道185号にあって、赤壁市客運中心(バスセンター)から約4キロ、タクシーで10分・7元。動車組の赤壁北駅からは2.2キロ、タクシーで5分・6元。城西停車場(赤壁古戦場行きバスの発着所)から約3.3キロ、タクシーで7分・7元の所にあります。
入場料等の費用:赤壁古戦場入場料150元(60歳以上半額)、城西停車場から赤壁古戦場ローターリー広場までの公共バス片道運賃9元

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.R.HORI & Y.FUNATSU
公開日: 2002.08.10 更新日2013.03.01