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堀・船津の中国旅行記
湖北省


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宜昌客運駅09:00発の長距離バスで、11:00頃荊州客運駅に到着しました。
<荊州の概要>荊州(Jing zhou けいしゅう)は、湖北省の南部にあって長江中流域に位置しています。州という名前は中国にかつて設置された州に一つであった事に由来しています。三国志の時代には、軍事的戦略拠点として、魏・呉・蜀の三国が激しく領有を争った場所です。赤壁の戦い(208年)の後、荊州は9群に分割され、魏・呉・蜀の三国はそれぞれが3群づつ領有する(これを「荊襄九郡」と言います)事になりました。この時代に蜀の関羽が荊州城を築きましたが、219年に曹操と孫権により滅ぼされ、荊州は曹操と孫権により二分割される事となりました。
現在の荊州市は、荊州古城がある「荊州区」と長江に面した港湾都市としての「沙市区」の二つの区からなっています。沙市区は新市街、荊州区は旧市街といった感じです。荊州市の人口は約650万人です。
<荊州への入り方>荊州には、貨物専用鉄道しかなく旅客鉄道はありませんから、長距離バスを利用する事になります。荊州市の長距離バスセンターは沙市区にあり、宜昌からのバスもここに到着します。長距離バスセンターの名称も「沙市長途汽車客運駅」で荊州と言う名称は何処にもないし、バスの行き先表示も「宜昌⇒沙市」となっていますから注意が必要です。「荊州に行くつもりが沙市に着いてしまった」と大慌てしかねません。ちなみに、荊州区にはもう一カ所「沙市汽車客運中心」(沙市区北京中路沿い)という近郊バス用のバスセンターがあります。長途汽車客運駅は沙市区塔橋路沿いにあって、両方の駅は2キロ程離れた所にあります。同じような名称なので、タクシーに乗る時や道を尋ねる時は名称をはっきり紙に書いて聞くようにすれば間違いありません。
バスセンターに到着すると、荊州の見所は荊州区の方に集中していますから、ここからタクシー又はバスで、荊州区に移動する事になります。沙市客運駅から荊州区の中心まで、タクシーで12元(初乗り6元)でした。公共バスは18路かと思います。

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<荊州の見所>前述した通り、沙市区は新市街で特に見所はありませんから、ここでは荊州古城がある荊州区に絞って書きます。荊州区の中心部は、荊州古城の城壁に囲まれた中にあります。地図の番号を確認しながら以下を読んで下さい。沙市区からタクシーで向かうと、荊南路と言う大通りを通って古城内に入ります。最初に通るのが新東門@です。荊南路を西に進むと荊州賓館Bや南門Cがあります。荊州古城は、関羽が最初に建設した城郭都市で1646年(明代)に再建されたものです。周囲は11.3kmあり、現存する城壁の高さは9mで、幅(厚み)は10mあるそうです。1個4キロの煉瓦を積み重ねて築いたとの事です。四方には、東門(迎賓門とも言う)Aと新東門@(新東門は新しく作られたもので昔の東門は新東門から北に歩いて数分の所にあります)・南門C・西門(安瀾門)G・大北門(拱極門)D・小北門(遠安門)E・小東門(公安門=水門)Fがあります。それぞれの門には楼閣が建っていたそうですが、現在残っている楼閣は、東門と大北門だけになっています。その他、城壁内には三国公園Hや荊州博物館Iなどがあります。これらは歩いて見て回る程狭くはありませんから、流しているタクシーを利用しながら、目標を絞って観光すると良いでしょう。とりあえず全部見たい人は、東門の前に観光車がありますから利用するのも良いです。では順番に見所を紹介します。
まずは、古城の入口に当たる新東門@です。沙市区と荊州区を繋ぐ幹線道路「荊南路」が荊州古城に入る玄関口として新しく作られた門です。外堀にかかる橋は九龍橋です。新東門の上に立つと外堀や九龍橋等、周囲が見渡せます。新東門の上に登るには東門から入り城壁の上を歩いて行きます。東門は、九龍橋を渡って新東門を右折して城壁に沿って歩いて行くと東門の賓陽楼(楼閣)が見えてきます。東門の前には観光車が客待ちしていますから、利用したい人はここから乗ります。東門は入場料(27元)が必要です。馬道(馬に乗った兵士が駆け上がる道)を登ると城壁の上には馬道を登った兵士の像や賓陽楼があります。賓陽楼中には三国志の登場人物の像等があって結構見応えがあります。荊州古城の全ての城門は、城壁が2重構造になっていて、城壁の外側には半円形の小城郭があります。二重構造の城壁内の空間は、敵兵を誘い込んで一網打尽にする仕組みとなっています。東門にはこの形が良く残っています。賓陽楼から城壁の上を更に進むと新東門の上に着きます。城壁を更に進むと小東門(公安門=水門)Fがあります。小東門では下りる所がありませんから東門に戻る事になります。
東門を出て正面の道(張居正街)を(西に向かう)25分(2キロ強)程歩くと南門Cに着きます。張居正街には、大きな市場があり長江で捕れる魚等、庶民の暮らしに触れる事が出来ます。また道の両側の壁には、三国志にまつわる絵が描かれていますから、この道は歩きが推奨です。張居正街を過ぎると迎賓路になり、その辺りに荊州賓館があります。この荊州賓館の横に賓安商業街があって、この奥にレストラン街があります。その中に食頂記というファミレスの様な店があります。火鍋が中心の店で、鍋の材料は好みで注文出来、味付けも自由にできます。料金も庶民的で個人旅行にお薦めの店です。


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迎賓路を更に進んで突き当の左側に南門Cがあります。南門Cに楼閣は残っていませんが、城壁の上に登る(入場無料)と楼閣の遺構や楼閣に通じる街の様子、荊州古城を守る外堀等が見られます。また2重構造の城壁も良く残っています。ここからは、タクシーで大北門Dに向かいました。
大北門(拱極門)D(入場無料)の楼閣や馬道、2重構造の城壁等は、東門とほぼ同じ様な造りになっていますが、楼閣は窓が壊れている等、かなり痛みが酷い状態です。中の展示物もほこり塗れと言った感じです。楼角は2階にも上がる事が出来ます。大北門から城外に出ると得勝橋があります。当時常勝の関羽軍が、凱旋する時必ずこの橋を渡った事から、得勝橋(勝ちを得る橋)となったそうです。住民はここで歓声を上げて出迎えたと伝えられています。橋の横には石碑も立っています。痛みが酷い楼閣が、得勝橋がある場外の風景と相まって、返って猛将関羽の近くに立っている様な想いにかられました。
大北門Dを後に三国公園Hに向かいました。大北門Dを出て内環北路を西に向かって歩きます。間もなく三国公園の池が見えてきます。歩く場合は、池の手前に「荊州古玩城」がありますからその中を通り抜けるのが近道です。内環北路をそのまま進んでも三国公園の南門や荊州博物館に出ますが、徒歩だと25分(2キロ強)程かかります。荊州古玩城を通り抜けると荊州北路に出ますが、丁度その辺りに三国公園北門があります。一応チケット売り場らしきものはありますが、誰もいないし門扉もなく出入り自由になっていました。入口正面に、劉備・関羽・張飛の像がありました。ここから公園に入りましたが、人影もないし建物も閉まっていて、廃園になっているようでした。
期待した三国公園もこんな状態だったし、時間も16時頃になっていたので、荊州博物館と他の城門はパスして、街中をぶらぶら歩いてホテルに戻りました。
翌朝、武漢行のバスに乗る為、沙市長途汽車客運駅に向かいました。チケット売り場は駅ビル1階の左側にあります。チケットの前売りはなく当日購入のみです。武漢行のバスは指定便の指定席制で、空席がある出発の早い便から順次発売されます。バス料金は70元でした。
(武漢行チケットの購入の注意点)武漢には、3カ所に主要なバスターミナルがあります。「傳家坡長距離バスターミナル」(武昌区にあって武昌駅や黄鶴楼に近い場所)、「武漢新華路長距離バスターミナル」(江漢区にあって中山公園に近い場所)、「武漢総合バスセンター」(武漢市発展大道にあって漢口駅に近い場所)の3カ所です。窓口で武漢行のチケットを購入する時は、バスターミナルの名称をメモに書いて渡すと間違いありません。ちなみに、武漢から赤壁や荊州に向かう場合は、「傳家坡長距離バスターミナル」です。現地の駅名は「宏基客運駅」となっています。
沙市長途汽車客運8:55発のバスで武漢に向かいました。この続きはここをクリックして「武漢」をご覧ください。
<荊州での日程紹介>
(6/29)11:00荊州の沙市長途汽車客運駅着→(的士)→12:00荊州賓館→(的士)→13:00荊州古城観光→17:00荊州賓館泊(6/30)沙市長途汽車客運駅8:55発で武漢へ。

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[特記事項]
荊州のアクセス:空港や列車駅はありません。アクセスは長距離バスのみとなります。長距離バスは便も多く便利です。
宿泊したホテル:荊州賓館(4星クラス)施設は多少古いです。日本のクレジットカードは使えませんでした。
入場料等の費用:荊州古城の入場料は東門の27元のみで、その他の門は出入り自由です。
その他の特記事項:物価は全体的に安めです。古城内は旧市街の雰囲気が残っていますから、時間があればブラブラ歩いて街の雰囲気を見るのも良いです。タクシーは結構多いですが、初乗り6元と安いので時間帯によっては、拾いにくい事もありました。

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.R.HORI & Y.FUNATSU
公開日: 2002.08.10 更新日2013.03.01