堀・船津の中国旅行記
重慶市
三峡クルーズ乗船記

第一部-手続き等



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6月23日早朝海南省海口市を出発し重慶大足を目指しました。
<大足への入り方>大足に入る方法は重慶から長距離バスで入るのが一般的です。鉄道もありますが鉄道駅は大足市街から遠く、長距離バスなら本数も多いし大足市街に直接到着します。そのバスルートも2つあります。1つは重慶江北空港から大足に向かうルートと、もう1つは重慶市内から大足に向かうルートです。両ルート共、同じ大足汽車駅(老車駅)に到着します。(料金や所要時間などの詳細は下段の特記事項をご覧ください)
重慶江北空港から大足に向かうルートー江北空港の到着ロビーは1階(一部2階)にあります。
バスの出発ロビーは同じ空港ビル1階にあります。チケット売場は2階にあります。飛行機の到着ロビーとの連絡は、到着ロビー(1階)の出口を出て右側に歩いて行くと長途汽車(長距離バス)の案内版があります。写真の奥に見えるエスカレーターで2階に上がり案内版の通りに進んでいくとチケット売場があります。大足行のバスは1日2便あります。窓口で大足1枚と書いて渡すとチケットを発券してくれます。2階は発券のみでバスの乗り場は1階です。チケットに記載された検票口から乗車します。大足までの所要時間は約3時間です。途中幾つかの駅で停まりますが、とにかく終点まで乗っていきます。終点は大足汽車駅(大足区中心部地図-2)で一般には老車站と呼ばれています。
重慶市内から大足に向かうルートー重慶市内の複数の場所から出ているようですが、一番本数が多いのが重慶汽車駅(一般には菜園(土貝)駅と呼ばれています)で、重慶火車駅(鉄道駅)の近くにあります。重慶汽車駅の最寄駅は重慶軌道交通の両路口駅です。両路口駅から(少し離れていますが)歩いて行くと手前(向かって右側)が重慶火車駅、奥(向かって左側)に汽車駅のチケット売場があります。大足までの所要時間は約2時間半です。途中幾つかの駅で停まりますが、とにかく終点まで乗っていきます。終点は大足汽車駅(大足区中心部地図-2)です。
<大足の歩き方>大足は重慶市の西130キロ程の所にあります。成都からは300キロ程あります。重慶市大足県でしたが、2011年に重慶市の市轄区となり現在は重慶市大足区となっています。大足の市街地は東西に流れる大足川の両岸に広がっています。大足区全体でも人口は100万人程度で、市街地は無理すれば徒歩も可能な小さな街です。石窟の街として知られている為、市内にはタクシーも多く、また輪タクなどもありますから、市内の移動は問題ありません。以前は重慶からの日帰り観光が主体でしたから、宿泊施設は充実していませんでしたが、最近は5つ星ホテルも開業し、大足に宿泊する旅行者も増えています。重慶に比べるとホテル代が格段に安いので、むしろ大足に泊まるのもお薦めです。大足に泊まってゆっくり重慶火鍋をつつくのも良いものです。
大足の石窟は、唐代中期の649年に造営が始まり、以降19世紀に至るまで作られ続けてきました。大足周辺の石窟は40を超え、彫像は10万以上もあるそうですが、通常みられる石窟は北山石窟(大足区中心部地図-1)と宝頂山石窟(同-3)の2カ所です。他に南山(市街地の南5キロ)・石門山(同の東30キロ)・石篆山(同の南西25キロ)などの石窟がありますが、これらを見るには交通機関が整備されてない為、個別に旅行社と相談する必要があります。

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北山石窟(同-1)は市街地から2キロ程北の小高い山の中にあります。路線バスは無く、タクシーで10元です。(帰りはタクシーが捕まり難いのですが、下り坂なので歩いても市街地まで20分程度です。)駐車場がある広場でタクシーを降りると石段があります。その登った所に入場券売場があります。入口を入って更に石段を登ると石窟群を保護する為に作られた500m程の長い回廊があります。北山石窟は、唐代後半(9世紀)から南宋(12世紀)にかけて造られたもので、回廊は唐代の石刻から順番に、五代十国〜北宋〜南宋の石刻へと順番に見られるように造られています。907年に唐が滅亡してから中原には5代の王朝が興亡するなど混乱の時代が長く続きました。この様な時代に仏の救いを求める多くの人々が、資金を出し合い仏師に造らせたのが現在の北山石窟群です。いわば庶民が造った石窟と言えるでしょう。小ぶりの石刻が多く(数万体)観音菩薩や弥勒菩薩像が多いのはこの為とされています。時代を追う毎に表情や衣服が変化していく様が良く分かります。唐代から順に主なものを紹介します。NO5-毘沙門天-唐892年、NO10-釈迦牟尼佛-唐892年、NO130-摩利支天-宋代、NO133-水月観音-南宋1131〜1162年、NO155-孔雀明王-北宋1126年、NO168-五百羅漢-北宋1119〜1125年、NO176-弥勒下生経変相-北宋1126年、NO180-十三観音変相-北宋1116〜1122年。NO245-感無量寿経変相-唐。
出口から道路に出ると十字路になっています。正面の坂道を登って行くと多宝塔があります(案内板があります)が、かなり遠いです。左に行くと最初の駐車場広場に出ます。


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宝頂山石窟(同-3)は市街地の15キロ程北東にあります。タクシーは市街地から約40元です。路線バスは五里大道と北杯(王+不)路が交差する辺りの路上(同-4)から出ています。この辺りにはバスが沢山留まっているので、「宝頂ー大足」と書いてあるバスに乗ります。2〜30分で宝頂山石窟の駐車場広場に着きます。帰りのバスもこの駐車場広場から出ます。バスは時間制ではなく満員になると発車します。料金は片道3元です。
駐車場広場から土産物屋が並んでいる通りを歩いて行くと、電動カートと輪タクの乗り場があります。電動カートは3元、輪タクは10元です。共に景区入口まで行きます。景区入口(宝頂山細図-1)にチケット売場と案内所があります。正式には宝頂山石刻景区と言い石窟がある石刻造像区を中心とした公園の入場口となっています。石窟がある石刻造像区の出入口(同-2)は景区入場口から更に少し歩いた所にあります。ちなみに景区入場口(同-1)はあくまでも入口専用で、景区出口(同-5)は石刻造像区の出入口(同-2)を出て左に歩いて行くとあります。
石刻造像区の出入口を入り坂道を下っていくと「宝頂」の石刻が見えてきます。ここからが石刻群の始まりです。宝頂山石窟は、宝頂山の中腹にある馬蹄形をした谷「大佛湾」の崖に造営された全長500mに渡る石刻群です。宝頂山は峨眉山と対比される仏教聖地の一つで、南宋時代(1127〜1799年)の名僧「趙智鳳」によって造営されました。造営には70年かかったそうで、大佛湾を右回り(時計の逆回り)して拝観すると仏教の教えを表す一篇の物語となっているそうです。この点が、庶民が造営した北山石窟との大きな違いとなっています。

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では右回りで主な石刻を紹介します。
牧牛図(10人の牧人と10頭の牧牛が彫られている)・護法神龕(守護神像)(33尊像が彫られている)・六道輪廻図(主像は無常大鬼。中心から二番目の輪は「人道」「天道」「阿修羅道」「餓鬼道」「地獄道」「畜生道」を表し、三番目の輪は人の生・老・病・死・憎怨・愛別離を表している)・華厳三聖(向かって右=文殊菩薩・中=毘盧遮那仏・同左=普賢菩薩、他に後壁などにも仏像が彫られており合わせると煩悩の数と同じ108の仏像がある)・千手観音(朱色の建物の中にあり現在は修復作業中の為一部しか見られない)・釈迦涅槃像(右の写真で釈迦像の全長は31m、周囲に37尊が刻像されている)・孔雀明王経変相(密教の尊格である明王の1つ)・大方便仏報恩経変相(全部で68尊の像が刻まれており、中央の大きな像が鑿釈迦仏半身巨像(大方便仏))・地獄変相(中央には地蔵菩薩座像、その左右上段には10尊の仏像、下段には18の地獄の様子が描かれている)・柳本尊行化図(中央の像が柳本尊像)
出入口(同-2)を出で左に行くと景区の出口方向です。出入口を出ると直ぐ左に4層の万歳楼(同-3)があります。その横の道を歩いて行くと左の崖下に大きな釈迦涅槃像が見えてきます。この道は大佛湾の上に造られていますから、石窟を上から眺める事が出来るようになっています。更に先に進むと美しい池と聖寿寺(同-4)があります。

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聖寿寺(右の写真)は、趙智鳳が石窟造営と同時に建立した道教のお寺です。その後何度となく戦火にあい現在の建物は清の康煕帝(1661〜1722年)によって再建されたものだそうです。現在も修復工事が行われていました。
更に進むと、景区出口の石門(同-5)があります。土産物店が並んでいる先に電動カートと輪タクの乗り場があります。ここから景区入場口(同-1)の前を通って駐車場広場の近くまで戻ることになります。
駐車場広場には、何台か大足行の路線バス留まっていますから、人が既に乗っているバスに乗ると間もなく出発します。(座席が埋まると出発します)
重慶へー大足老車站14:20発の長距離バスで重慶に向かいました。この続きはここをクリックして「重慶」をご覧ください。
<重慶大足での日程紹介>1日目6:30海口美蘭空港07:55→(HU7267)→9:55重慶江北空港→大足行き長距離バス票購入→昼食→江北空港発12:30→(60元、中型バス、3時間)→15:30大足老車站(大足汽車駅)→(タクシー7元)→16:00北山石窟17:00→(徒歩)→夕食→18:30重慶華美達廣場酒店
2日目重慶華美達廣場酒店チェックアウト8:00→(タクシー40元20分)→8:20宝頂山石刻12:00→(公共バス3元20分)→バス停から市内まで歩く→市内で昼食→13:50大足老車站14:20→16:50重慶汽車駅→(タクシー7.5キロ、15分)→17:05長都假日酒店


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[特記事項]
記載情報の入手日(=旅行日):2012年6月
大足市内の長距離バス駅:市内には長距離バス駅が2カ所あります。重慶行は大足汽車駅(大足区中心部地図-2)で一般には老車站(タクシーも老車站の方が通じます)と呼ばれています。老車站からは重慶江北空港行きも一日2便あります。成都方面のバスは大足汽車客運駅(同-5)です。両方のバス駅は1キロほどで徒歩圏内です。宝頂山行の路線バスは、この2つの長距離バス駅ではなく、五里大道と北杯(王+不)路が交差する辺りの路上(同-4)から出ています。
大足老車駅〜重慶汽車駅の長距離バス:バスは1時間に2〜3本出ています。料金は54元で所要時間は約2時間半です。チケットは当日窓口で購入しますが本数が多いので乗れない事はまずありません。重慶行の表示が出ている窓口で購入します。前日購入や当日の出発時刻の指定はできません。バスは全席指定制で、早い時間のバス席から順番に発売されます。ちなみに重慶の到着駅は複数ありますが、一番本数が多いのが重慶汽車駅(一般には菜園(土貝)駅と呼ばれています)で、重慶火車駅(鉄道駅)と同じ場所にあります。
大足老車駅〜重慶江北空港の長距離バス:バスは1日2往復あります。料金は60元で所要時間は約3時間です。大足老車駅発が8:30と13:00の2本、江北空港発が12:30と17:00の2本です。途中で停車して乗客を降ろす回数が多いので重慶汽車駅発着より時間が30分程余計にかかります。
鉄道駅:大足火車駅は、大足市街から34キロ南にあります。重慶と成都を結ぶ鉄道の途中駅にあたり指定券の入手は難しいようです。何処に移動するにしても長距離バスが頻繁に出ているので、一旦バスで重慶や成都に出るのがお薦めです。
市内の交通事情:バス路線が多く、またタクシーの台数も多いので移動は問題ありません。
宿泊したホテル:重慶華美達廣場酒店(5星)重慶市大足縣五星大道386號。ホテルは新しく5つ星の割に料金は安いです。ただ、中心部から少し離れているのでタクシーが捕まりにくい難点がありました。 
入場料等の費用:北山石刻と宝頂山石刻の通し入場券=入場料170元。個別購入時の北山石窟=入場料90元、宝頂山石刻=入場料135元。両方見るなら通し券の方が55元安くなります。
重慶火鍋:重慶名物と言えばあの激辛の重慶火鍋です。北山石窟から北山路を下って来て復興街と交わる辺りが繁華街です。この辺りに火鍋の店が沢山ありました。街を流している輪タクのおじさんに「火鍋城」と書いて渡すと乗せていってくれるでしょう。

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.R.HORI & Y.FUNATSU
公開日: 2002.08.10 更新日2013.03.01