堀・船津の中国旅行記

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チベット自治区拉薩。成都で中国人旅行団に参加した私達は、拉薩悪天候の為、航空会社手配のホテルで一泊する事になりました。翌日1日遅れで雨の成都空港を飛び立ち、2004年4月13日拉薩空港に降り立ちました。しかも2003年はSARSの影響で2年越しの実現となりました。
世界の屋根と言われるチベットは
、平均海抜が4000mを超えるチベット・青海高原からなっています。ヒマラヤ山脈を頂くチベット地域は、インダス河、ガンジス河、サトレジ河、ブラマプトラ河、サルウィン河、メコン河、揚子江、黄河等、アジアを流れる大河の源でもあります。(⇒チベットの詳しい情報はここをクリックしてください)。チベットと言うと一つの国と思っている人も多いのですが、複雑な歴史的背景を経て、現在は中華人民共和国西蔵(チベット)自治区となっています。1959年にダライラマ14世がインドに亡命するなど、現在でも複雑な背景が存在していますが、このような背景からか、チベットに入るには、中国ビザの他に、チベット入境許可証が必要となっています。(⇒入境許可証の詳細はここをクリックしてください)
空港から拉薩市内へ。旅行団の目印である赤い帽子をかぶって、バスで拉薩市へ向かいました。空港から拉薩市内までは舗装されていますが、約100キロあり、2時間ほどかかります。車はヤルツアンボ川に沿って走ります。荒々しい岩肌の山の所々に、白い平屋建ての家が見えてきます。家の屋根にはタルチョ(祈祷腹)がはためいています。チベット族の村です。まもなく橋を渡ると中尼公路に出ます。拉薩とネパールを結ぶ幹線道路です。左手にネタンの大摩窟仏が見え、右側にはヒマラヤの峰々が望めます。いよいよ来たと実感する一瞬です。車は、まもなく街中に入りますが、この高地にありながら、以外に都会であるのに驚きます。やがて車の窓から、ポタラ宮が目に飛び込んできます。日本で言えば、皇居前広場と皇居といった所でしょうか。でもここで喜んではいけません。拉薩の標高は3650mと、富士山と同じ位の高さにあります。まずホテルで数時間休養して、高地に身体を慣らす必要があるのです。⇒さあ!一休みしたら、身体ならしを兼ねて近場の観光に出てみよう。
ジョカン(大昭寺)は、旧市街の中心にあり、平地で寺の建物も3階建、身体慣らしには最適です。拉薩の街はチベット族エリアと漢族エリアに分かれていますが、ジョカンはチベット族エリアにあり、私はここが一番チベットを感じる場所だったような気がしました。

下のをクリックするとチベット仏教のメッカ「ジョカン寺」の五体投地や信者の労働奉仕などを動画でご覧いただけます。動画下のをクリックすると全画面表示でご覧いただけます。

ジョカン(大昭寺)は、7世紀に建立されたもので、正確には本殿のジョカン寺と周囲を囲んでいるトールナン寺からなっておりジョカン全体では25000平方メートルあります。後に述べるポタラ宮が歴代ダライラマの宮殿であるのに対し、ジョカン寺は、チベット仏教信仰の中心となっており、寺の前では、五体投地(文字通り五体を地に投げ出す)をする巡礼者で、あふれています。 中央の大経堂は、仏教曼荼羅式宇宙観の中心とされ、寺の釈迦堂にある黄金の釈迦牟尼像は寺全体の精華とされます。寺の正面に立つと、屋根に寺の象徴である、法輪と2頭の鹿が黄金色に輝いています。そしてここに立つと、はるばるヒマラヤ山脈を越えて、ブータンやネパール等から長い長い旅をしてきたであろう、沢山の巡礼者達に会う事ができます。ここには、1時間でも2時間でも、いや一日立っていても飽きないほどです。
ジョカンの中に入ると、中庭があり、左側にダライラマの玉座があり、その奥にジョカン寺の入り口があります。 沢山の巡礼者がマニ車を回しながら右回りに歩いていますからその流れに沿って歩きます
。建物に入ると、ツォンカバと8人の弟子の像などがあり、チューメ(バターで出来た蝋燭)が照らす薄暗い堂内を順路にそって見て歩く事になります。ここでの必見は釈迦堂にある黄金の釈迦牟尼像です。2階3階と見学し屋上にでます。屋上からはポタラ宮を望む雄大な景色を見る事できますから、屋上に是非上がってみましょう。黄金色に輝く法輪と2頭の鹿を目の当たりに見る事が出来ます。私達はここで、おばさん達が座り込んで、紙幣を整理している所に出会いました。これは信者の労働奉仕の一環で、お賽銭を集めて整理している所でした。屋上では、信者達が唄を歌いながら、屋根の修理をする姿が、とても印象的でした。上段のから、チベット仏教のメッカ「ジョカン寺」の五体投地や信者の労働奉仕などを動画でご覧いただけます。)


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バルコル(八角街)、ジョカンの周りを一周していますが、ここには沢山の店が並んでいます。生活必需品からみやげ物まで何でもあります。チベットらしさで求めるなら、チベットの帽子・マニ車など銀製品の小物・チューメ(バターで出来た蝋燭)等々。但し値段は交渉次第。買うそぶりをしつつ立ち去るしぐさ」が一番効果的。一度やってみよう。(⇒買い物のコツはここをクリックしてください) ここでも絶対右回りです。
ポタラ宮
、山に沿って建てられているので、かなりきつい。東側(紅宮側)からなら、中腹まで車で行けるが、西側からだと、自力で階段を登ることになる。ポタラはチベット語で仏教の聖地を意味し、拉薩市の中心部にありマルポリ(紅山)の山上に建っています。7世紀に建造されましたが、8世紀に破壊され、17世紀に第5世ダライラマが再建し、後に述べるブテン寺から移ったとされています。紅宮と白宮からなり宮殿自体の高さは117mありますから、宮殿の屋上に立つと、そこは海抜4000mとなり、世界最高度にある宮殿と言えます。東西の長さは実に360mあり、宮内には、宮殿・仏堂・習学室・寝宮・霊塔殿などがあり、壁面の紅と白色、金色に輝く屋根は、真っ青な空と相まって、正に壮観の至極としか言いようがありません。最初はダライラマ5世によって白宮(ポタンカルボ)が建てられ、その後紅宮(ポタンマルボ)が造営されました。白宮は、ダライラマの住居と政治を掌る場所で、紅宮は歴代ダライラマの霊塔となっています。
ポタラ宮の中に西側から入ると、ダライラマ5世の霊塔・ドーコルラカン・パクバラカン等、を見ながら、順路に従って、階段を上っていく事になる。紅宮の屋上までは13階ある。息き苦しくなったら早めに休もう。紅宮屋上には、金色の屋根が見える。歴代ダライラマの霊塔や聖観音堂の屋根です。ここが最も高い所で、360度、4000mの大パノラマが広がります。眼下には広大なポタラ宮広場が見えます。しばし一休みして呼吸を整えよう。


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ポタラ宮白宮に入ると、これからはほとんど下りです。白宮屋上には、ダライラマの寝殿である西日光殿があり、東日光殿等も見ながら下って行くと、白宮出口にデヤンシャルとよばれる、歴代ダライラマが観劇する内庭があります。ここにトイレがあります。ここからは、長いだらだらと続く階段を下ります。僅か数百メートルの違いですが、高度が低くなる為、気分爽快になっているはずです。出口付近にある村は、シェル村と言って、昔チベット政府関係の役所や住居があったところです
ホタラ宮広場は、
ただ広いだけで何もありませんが、巨大なポタラ宮の全体をバックに記念撮影するなら、この場所が最適です。私達も中国旅行団の面々と国際交流写真を撮りました
ロンブリンカ
、チベット語で宝物の公園を意味し、ダライラマの夏の離宮です。対するポタラ宮は、冬の宮殿になっています。ロンブリンカは、普段は特に見るべきものはありませんが、8月にアチェラマモ(チベットオペラ)が開かれるとのことなので、その時期に行く人は是非見たいものです。
デブン寺は、拉薩の北西12キロのゲンペイウズェ山の山腹にあります。ダライラマ5世が、ポタラ宮に移る前に住んでいた寺院で、かつては1万人の僧侶を抱えたと言う、ゲルク派6大寺院の中でも最大の寺院です。1416年に建立され総面積25万平方メートもあり、ほとんどは急な階段と坂道ですから、ポタラ宮以上にハードです。それでも、一番上まで上がると、遥か向うに拉薩市内と雄大な山々が一望できます。一般の観光ツアーには入ってない事があるので、市内からタクシーをチャーターしていくのが便利です。(デブン寺で乗り捨てると、帰りのタクシーが無い可能性があるので注意)。8月に行われるシェトン祭りは、チベット最大の祭りで、巨大なタンカが掲げられるという。


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セラ寺は、拉薩の北6キロのセラウズェ山の麓にあります。ツォンカバの弟子シャカイシが1419年に建立したゲルク派6大寺院の一つ。寺の中心には大集会堂(ツォクチェン)があり、中には仏画や仏像があるが、暗くてほとんど見ることが出来ず残念です。
チケットは名刺形CD−ROM
。セラ寺とデプン寺のチケットは、名刺形のCD-ROMになっています。このCD-ROMは、パソコンで見ることができます。暗くて見づらい大集会堂内の仏画や仏像を、パソコンで見られるようになっているのです。捨てないで、絶対持ち帰りましょう。
羊八井(ヤンバジェン)温泉区
は、世界で最も高い所にある温泉で、拉薩の北方、約100キロの所にあります。区内には地熱発電所などもあり、いたるところから熱いお湯がでています。一般の人が入れる温泉やプール、それに休憩室など、粗末な設備とはいえ、一応は整っています。プールの脇に、羊八井温泉区のモニュメントが立っています。それには、海抜4300メートルと書いてありました。この海抜の所で、熱い温泉に入るのは、地元の人でないと、チョットこわいですね。私達は、ここでチュバ(チベットの民族衣装)を着たチベット族の人から、その独特の持ち物を見せてもらう事ができました。ついでに記念撮影もお願いしてしまいました
その他の見所。拉薩市内と周辺だけでも、見るところは沢山あり、全部は紹介することは出来ませんが、ポタラ宮を裏から眺められる宗角緑康公園
バルコル(八角街)周辺にあるチベット族の街、ジョカン前広場、それにジョカン正付近で多く見かける巡礼者の様子などは、自分の足で歩いて見られる範囲にあり、時間があれば是非歩いてみたい所です。
私達のチベット旅行期間中は、天気に恵まれず、時間もなかった為、拉薩の周辺だけで終わってしまいました。次回は是非、拉薩の周辺地域にも足をのばしたいと思っています。
私達はこの後、拉薩コンガ空港から、チベット族が多く住んでいる、雲南省シャングリラへ向かいました。


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[特記事項]
この他の観光地:(拉薩周辺)薬王山・カンデン寺・チベット博物館・青年路夜市
有名な料理:チベット料理は、辛い調味料は使われず、あっさりした塩味が中心。ズアンバ(パンの一種)
有名な飲料:スー油茶=バター茶(牛乳と羊乳のバター)・甜茶・チンコー酒
美味いもの:街角の屋台で売られていたみかんが、見かけは悪いけど、とても美味しかった
特産品:チベットの手工芸品・チベット薬・チベット絨毯
少数民族:チベット族が大半、その他、漢族・回族など


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.R.HORI & Y.FUNATSU
公開日: 2002.08.10 更新日2013.03.01