堀・船津の中国旅行記
チベット旅情報 How toTibet
このページではチベットへの入り方から、チベットに関する各種情報を、記載します。
☆チベットの概要
現在はチベットと言う国は有りません。
正確には「中華人民共和国西蔵自治区」です。西蔵=チベット
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チベットとチベット族
平均海抜が4000mを超えるチベット・青海高原
は、ウ・ツァン、カム、アムドの3つの地域からなっており、歴史的背景からチベット族が多く住んでいます。現在は北に位置するアムド地域の大半は、青海省となり、西に位置するカム地域は、四川省や雲南省となっており、チベット自治区はウ・ツァンを中心とする地域になっています。青海省・四川省・雲南省にチベット族が沢山住んでいるのは、この為で、チベット自治区のチベット族240万人に対し、中国全体では、600万人のチベット族がいると言われています。
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チベットは世界の屋根
8848mの世界最高峰チョモランマを中心とするヒマラヤ山脈の峰々が連なり、
インダス河、ガンジス河、サトレジ河、ブラマプトラ河、サルウィン河、メコン河、揚子江、黄河等、アジアを流れる大河の源ともなっており世界の屋根と言われます。
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四方は中国の4つの省と5ケ国に接している
チベット自治区は、四方を、中国の新疆・青海・四川・雲南の各省、ミヤンマー・インド・ブータン・ネパール・シッキムの国々と接しています。人口は261万人で、その内92.2%をチベット族が占めています。
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日光の都、拉薩
チベットの区都である拉薩の標高は3650mで、気圧は平地の65%位しかありません。年間の日照時間は3000時間にのぼり、一年365日の内300日は晴れている計算になります。ゆえに、日光の都とも言われます。
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チベットの歴史
チベットの統一王朝は、7世紀にソンツェン・ガムボが、マルポリ(紅山)に王宮を築き、チベット仏教の聖地ジョカンを建立した事に始まります。その後の複雑な変遷を経て、17世紀にダライラマ5世がチベットを再統一し、マルポリ(紅山)に巨大なポタラ宮を建設しました。19世紀になり拉薩は中国が支配するところとなり、1959年ダライラマ14世はインドに亡命し、現在に至っています。
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拉薩はチベット族の聖地
拉薩は、チベット語で「神の地」を意味します。現在もチベット族・チベット仏教の聖地となっており、
はるばるヒマラヤ山脈を越えて、ブータンやネパール等から巡礼者が集まってきます。特にジョカン寺は、信仰の中心の寺となっており、寺の前では、五体投地(文字通り五体を地に投げ出す)をする巡礼者で、一杯です。
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拉薩の空港
拉薩の空港はクンガ空港と言います。市の南東100キロの所に位置し、タクシーやリムジンバスもあり、道路は完全舗装されています。所要時間は、リムジンでは2時間以上、タクシーで1時間半から2時間は見た方が安全です。
☆チベットに入るには
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空路コース
私達のような外国人は空路で入るのが良いでしょう。最も一般的で便数も多く個人旅行に適しているのは、四川省の成都市から拉薩に入るコースです。拉薩に入るには、入境許可証が必要で、個人旅行では簡単に行けません。しかし成都からなら、団体のツアーが多く出発する為、個人旅行の場合は、これに入る事が出来るからです。あらかじめ日本でチベット入境許可証を取得した人は、広州(広東省)から、香格里拉(シャングリラ=雲南省)経由で、拉薩行きがあります。
私達は、成都から中国人団体ツアーに参加して、拉薩に入り、帰りは香格里拉に向かいました。 
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陸路コース
私達のような外国人には無理なところもありますが、一度はチャレンジしてみたいところでもありますから、一応調べた事を書いておきます。
〇青海・チベット道路=国道109号線、全長1947キロ。青海省のコルムドから北上するコースで、上り下りが急でなく、舗装道路で、他のチベット道路に比べ比較的走りやすいようです。
〇四川・チベット道路=(南線)国道318号線、全長2159キロ。(北線)317号線、全長2407キロ。成都から西に向かう道路。
〇雲南・チベット道路=214号線、全長2317キロ。昔、雲南のお茶をチベットに運んだことから、「茶馬古道」と呼ばれます。但し、バスは徳欽までしか入らないので、旅行者で車をチャーターする必要があります。
〇その他に、新疆・チベット道路、カトマンズから入るコース。
〇2006年3月に青海省とチベット自治区を結ぶ青蔵鉄道が開通しました。まず貨物列車の運行を開始し、06年7月から旅客輸送の試運転が始まります。今の計画では、北京・上海・広州・成都・西寧・蘭州等から拉薩行きの列車が走ることになり、北京と拉薩は約48時間で結ばれることに事になります。高級列車では、気圧維持設備や酸素マスク備付など高山病対策にも配慮するそうです。また、将来は外国資本と提携して、豪華観光列車の運行も計画中ということです。
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中国観光ビザとチベット入境ビザが必要
チベットに入る旅行者は、チベット入境ビザが必要になります。このビザは、中国側の旅行会社で取得できますが、その手続きの際、中国の観光ビザが必要になります。現在は、2週間以内の中国旅行者は、ビザなしで入国できるようになりましたが、チベットに入る人は、日本出発前に、中国の観光ビザを取得しておく必要があります。チベット入境ビザの申請は旅行会社の他、香港・北京のチベット自治区観光局で取得が出来ます。
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チベットへの簡単な入り方(チベット入境ビザを含む)
日本で主催されるチベットツアーは全部旅行社がやってくれるので、ここでは個人旅行でチベットに入る方法について書きます。チベットに入る諸制限は最近かなりゆるくなってはいますが、基本的には、個人で入境ビザを取って、自由に入出境したり、チベット内を自由に移動することは、難しい(出来ない)と考えた方が良いです。そこで、個人旅行の場合は、中国でチベット旅行を主催している旅行者に行って、旅行団に参加する方法が簡単です。でも毎日旅行団が出発している訳ではないので、旅行団が組まれるまで、しばらく現地で待機することになります。その現地待機を短くする方法としては、四川省成都市からチベットに入る方法が最適です。ここからは飛行機も毎日複数便が往復しているし、チベット旅行団の多くがここで主催される為です。
☆チベット観光の注意と常識
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高山病とは
人によって差はありますが、大体3000メートルを超えてくると高山病の症状が出やすくなります。拉薩は海抜が3650mありますから、程度の差があっても、ほとんどの人が、高山病の症状がでます。高山病の症状は、頭が痛くなる・呼吸が荒くなる・体がだるくなる・吐き気がする、等です。
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高山病にかかりやすい人
高山病には、若い人ほどかかりやすいそうです。若さに任せて急に動いたりせず、体が慣れるまで、半日ほどは休養してから、行動するようにした方がいいでしょう。

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高山病の症状がでたら
高山病の症状は前にも書いたように、ほとんどの人にでます。ホテルにはほとんど酸素マスクが置いてあるし、街でも売っていますから症状が酷い時は、これを利用すると楽になります。しかし、症状が軽くて我慢できるなら、使わない方が早く身体がなれて、早く楽になれます。酸素が薄くなると、血液中の酸素濃度が下がる為、ハーハーと意識的に呼吸をするようにすると楽になります。現地の人でも人と話す時は、ハーハーと荒い呼吸をしながら話します。
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高山病対策
高山病を予防したり、症状を軽くする為の対策を、書いておきます。聞いた話と私達の体験で書きます。
・数日前からビタミン剤を服用する。
・チョコレート・ビスケット・キャンディーなど手軽な高カロリー食品を用意して、常にカロリーの補給をする。血液中の酸素濃度が下がる為、激しい運動をした事と同じ状態になりますから、エネルギーの補給は大切です。
・スポーツドリンクの粉末を用意しておくと、現地で水のペットボトルを買えば、手軽にスポーツドリンクが飲めるので良いです。ただ私達の体験では、気圧の関係か?も分かりませんが、我慢していても、おしっこが自然に流れでる事がありました。観光バスなどで長距離の移動をするときは、スポーツドリンクを濃い目にした方が、良い様に思いました。水分は多く取った方が良いので、食事時等にできるだけお茶など水分を多く取る様にしましよう。水は拉薩市内ならペットボトル入りが沢山売っています。
・現地に着いたら、ゆっくり歩く事、意識的に呼吸を早くする事を心がけよう。
・酒とタバコは、個人差がありますが、控えめにするか、できれば止めた方がいいでしょう。とにかく身体が高地に順応するまで様子を見よう。
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拉薩の気候
・一日の中に四季があると言われるほど激しい気温の差があります。私達が行った4月は、夜と朝は雪でしたが、お昼近くにかけて晴れてきました。晴れて来ると気温は一気に上昇します。7月が一番暑く昼間は30度を超えますが夜は0度になる事もあるそうです。出かける時の服装は、夏冬両方の準備が必要です。
・朝晩は雨や雪が降る事が多いのですが、昼間の年間の日照時間は3000時間に及ぶそうで、一年の中で晴れの日が300日ある計算になります。そして空気が希薄な為、紫外線が非常に強いのが特徴です
・年間の降雨量は日本の8分の1と言われ、また風が強い事もあって、非常に乾燥している事です。咳や痰が出やすくなり、喉がいがらっぽくなります。ホテルの部屋も乾燥していますから、寝る前に、浴槽に水を張っておくとか、濡れたタオルをつるしておくとかの対策が必要です。
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チベット旅行シーズン
チベット旅行シーズンは、4〜10月となっています。4月は早春と言った風情で雪が降る事が多く、気温も低いです。6〜9月は雨が多い時期になりますから、拉薩から地方を目指す人は、道路の状況などに注意が必要となります。10月を過ぎてくると旅行者が急減し、ホテルやレストランが休業し始めますから、この時期からの旅行は控えた方が無難です。
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チベット旅行の必需品
・防寒服(携行品として)=ウインドブレーカー・ヤッケ・セーター等=チベットは一日の中に四季があると言われる程気温の差があります。夏でも雪や霰が降ることがあります。太陽が出ると一気に気温が上昇します。
・防寒服(現地購入品として)=厚手の下着=現地では、厚手の下着が安く売っています。ガイドさんに聞いても良いし、街を歩いていると結構衣料品店がありますから、着いたら直ぐ、1〜2着かっておくと助かります。ホテルにもよるのでしょうが、部屋の暖房が個別式のところが多く、一旦停電(毎晩あります)すると、暖房が消えたままになる事があります。こんな時にも役立ちます。
・サングラス=晴れると、空気が薄いので、太陽がとてもまぶしく感じます。紫外線から目を守る必要もあります。
・日焼け止め=紫外線が強い為、曇っていても日焼けします。日焼け止めも、UV50以上がいいでしょう。
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チベット観光の常識 タブー集
・寺院を参観する時は、例外無くタバコは厳禁です。
・寺院を参観する時は、原則的に写真撮影は禁止です。仏像や宗教用具には、手を触れてはいけません。
・寺院の中、佛塔、マニ車のある場所など、宗教建築物の周りを歩くときは、右回り(時計の針の進む方向)に歩かねばなりません。
・五体投地(地にひれ伏しての祈り)をしている人の前に立ってはいけません。
・チベット人の後ろで手をたたいたり、唾を吐いてはいけません。
・宗教の対象となっている場所や物を、のり越えたり、またいだり、してはいけません。建物や部屋に入る時、敷居があったら、踏んではいけません

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.R.HORI & Y.FUNATSU
公開日: 2002.08.10 更新日2013.03.01