堀・船津の中国旅行記
中国新幹線/動車組/和諧号
中国新幹線/動車組/和階号

このページでは、中国新幹線「動車組」について解説しましょう

項目
内容
中国新幹線とは
(動車組/和階号)

中国の新幹線は、「動車組」と呼ばれます。車体には「和諧号」(=調和の意)の名称が付けられています。
2007年4月中国国鉄によりCRH型車両の運用が開始されました。CRH型車両は下記4タイプがありますが、総称して動車組や和諧号の名称で呼ばれます。
ボンバルディアと+BSP連合=CRH1(青島四方生産)
川崎重工と四方客車連合=CRH2(青島四方生産)
シーメンスと唐山客車連合=CRH3(唐山生産)
アルストームと長春客車連合=CRH5(長春生産)
営業速度は、CRH2A=250 km/h、CRH2C・CRH2-300= 350 km/hとされています。
車両は日本の東北新幹線「はやて」(E2系1000番台新幹線)が基礎となっていますから、実際に乗ると日本の新幹線と同じ感じがします。
現在の動車組は、「在来線を高速化して使用している路線」と「高速鉄道用の新線を使用する路線」からなっています。
2011年7月23日に浙江省温州市で、死者43人、負傷者190人以上を出す追突脱線事故が起きました。これを起因として2011年7月1日のダイヤ改正時から、動車組の最高速度を、350 km/h から300 km/h に引き下げました。これは設計速度に近い速度での運用に対する安全性への懸念が高まっている事と、運賃の高さへの批判、等が理由とされています。中国では速さに応じて運賃が高くなりますから、350 km/hの動車組では航空機並みの運賃になります。350 km/h から300 km/h にスピードダウンすればその分運賃が下がることになる訳です。

動車組を含む中国の列車の種類 車次(列車番号)G号:高速動車組列車で、 最高時速300km以上のCRH型電車
車次(列車番号)C号:都市間高速動車組列車で、最高時速300km以上のCRH型電車
車次(列車番号)D号:在来線を利用して走る動車組列車で、最高時速200 - 250kmのCRH型電車
以上が動車組で、以下はそれ以外の列車
車次(列車番号)Z号:特快列車。大都市と大都市を夕方から夜に発車して翌朝から昼までに到着する都市間列車で最高時速160km
車次(列車番号)T号:特快列車。主に省都に停車し停車駅が少ない。(日本の特急にあたる)
車次(列車番号)K号:快速列車。短距離を走る特別快速(日本の急行にあたる)
車次(列車番号)1001〜5999まで:普通快車。鉄道局内や2つの鉄路局を跨ぐ中距離の普通快速列車
車次(列車番号)6001〜:普通客車。(日本の各駅停車に相当)
中国の都市には複数の駅がある

中国の都市には複数の駅がある場合が多く、行き先によって発駅が異なるので注意が必要です。出発駅が何処かはチケットに表示されていますから、駅名を予め確認しておかないと、乗り遅れの原因になります。例えば北京駅と北京南駅は違います。南京駅と南京南駅も同様です。一つの都市に複数の駅がある場合、東西南北で表している事が多いようです。
主な都市の駅名は以下の通りです。
北京=北京駅(主に東北方面と国際列車)、北京西駅(主に華北・華中・華南方面)、北京南駅(動車組専用駅)、北京北駅(八達嶺・華北・東北方面)の4駅があります。北京・南・北の3駅は地下鉄で連絡していますが、西駅は地下鉄の連絡がないので注意して下さい。
上海=上海駅、上海南駅、上海虹橋駅の3駅があり、どの駅からも在来列車と動車組が出ているので注意が必要です。3駅は地下鉄で連絡しています。
南京=南京駅(南京の在来線の主要駅で動車組も出ている)、南京南駅(2011年6月に開業したばかりの動車組専用駅で、地下鉄1号線に連絡していて便利)・南京西駅(本数は少ないが始発列車が出ている)

動車組の駅

動車組の駅は、「高速鉄道用の新線に新しく開業した新駅」「在来線との併用駅」があります。それぞれの特徴と注意したい事項は下記の通りです。
高速鉄道用の新線に新しく開業した新駅=動車組専用駅として新しく開業した駅は、駅舎や構内は空港のターミナルビルと見紛う程の立派さです。何もこんなに巨大なものを作らなくても・・と思うような駅もあります。大都市に新設された駅では、南京南駅の様に地下鉄と接続させて便利な
駅もありますが、地方都市では郊外の畑の真ん中にポツンと新駅を建設した所もあります。代表的なのが済南西駅や天津南駅です。市内中心部から(空港に行くように)遠く離れており、移動手段もタクシーかバスとなります。駅に向かう場合は前もって所要時間を調べておくとか、タクシー利用の場合はホテルで予約しておく等が必要です。
在来線との併用駅=在来線と併用している駅では、入口やチケット売り場、乗り場へ行く通路等は、別々に分かれています。中国の駅は唯でさえ巨大で、しかも混雑していますから、一旦間違うと乗り遅れの原因になります。動車組を利用する人は、早めに待合室に入るようにしましょう。また動車組で到着した駅が在来線との併用駅だった場合、タクシー乗り場は長蛇の列となり、1時間待っても乗れない場合があります。杭州駅では(雨が降っていたこともありましたが)動車組の乗車時間よりタクシーの待ち時間の方が長かったと言う笑えない経験をしました。
以上のように、動車組の新駅の立派さとスピードは日本の新幹線と変わらない程ですが、新駅へのアクセスや、到着してからのインフラは、まだまだこれからと言った所です。

動車組チケットの購入 在来線は、いまでも窓口購入しか出来ませんが、動車組は自動券売機での購入が可能となりました。
在来線の指定席(寝台や軟座など)は入手が大変困難でしたが、動車組は運賃が割高な事もあって比較的容易に購入する事が出来るようになりました。本数も多いので、2〜3本待つ積もりなら、当日の購入も難しくありません。(それでも万一という事がありますから、乗りたい列車が決まったら早めに乗車券を購入してください)
動車組のチケットは、自動券売機でも窓口でもどちらでも購入できますが、購入する場合は、どちらも以下の情報が必要です。
パスポート番号・乗車日・出発時刻・車次番号(G○○次)・行き先・座席等級(二等座など)
窓口で購入する場合は、この内容をメモして、窓口に渡せば発券してくれます。窓口では、往復の購入も出来ます。
動車組時刻表

2011年旅行時に時刻表を探したのですが、全国物は見当たりませんでした。
近年、中国では内需拡大の一環として高速鉄道路線を含む鉄道建設が、急ピッチで進められています。また、2011年7月23日の温州市での追突脱線事故を起因とするスピードダウン等もあって、頻繁なダイヤ変更が行われています。その為、ここ数年全国版時刻表は発行されて無いようです。あっても多分使い物にならない位のダイヤ改ですから・・。
動車組の本数は多いので、旅行計画を立てる時は、凡その時刻だけを決めておいて、当日購入するとか、予約する場合は直前にホテルなどに頼んで購入してもらう事になります。

その他の注意点

動車組の速さは在来線に比べると早いのは事実ですが、在来特急と比べて全て、必ずしも目的地に早く到着するとは限りません。高速列車を通過させる為、待ち合わせをする動車組もあります。動車組によっては、この停車時間が30分〜1時程度(累計で)にも達する事があります。運賃は高額な動車組料金になりますが、到着時間は、在来特急の方が早く到着する場合があります。また、動車組の駅が市街から遠い場合は、市街にある駅から在来列車の方が早く目的地に着くこともあります。市街から郊外の動車組駅までタクシー代と時間をかけて、高い動車組運賃を払って、目的地に着くのは大して変わらなかったという事にもなります。動車組を利用する場合は、ホテルのフロントなどでよく確認した方がいいでしょう。

今後も、当ページを充実していきますからご期待ください。
このページに関するご感想やご意見などを、お待ちしています。

.R.HORI & Y.FUNATSU
公開日: 2002.08.10 更新日2013.03.01