堀・船津の中国旅行記
凱里

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貴州省は人口370万人を有し、中国の中でもカルスト地形が美しい事で知られます。鐘乳洞や滝が沢山ある他、奇岩や渓谷も多く省全体が天然の公園と言った感じです。又16の少数民族が居住しており少数民族の割合が高い省でもあります。反面起状にとんだ地形は交通の条件を悪くし、経済の発展を遅らせる要因にもなっていますが、その分手付かずの自然や少数民族の暮らしに直接触れる事ができるとも言えます。
凱里市は、貴陽市の東南部190kmの所にあります。黔東南ミャオ族・トン族自治州の州都で、人口は約40万人。州の人口300万人の内、少数民族の割合が、その71.9%を占めるという、正に少数民族の宝庫です。
貴陽市から凱里市までは、高速道路が開通しており、一日コースの観光バスも沢山出ています。しかし、凱里市内では少数民族の祭りなど、文化や風習には触れにくくなっています。
少数民族の昔ながらの生活に触れるには、更に100km以上離れた場所に行かねばなりません。しかしこの辺りの観光開発はほとんど進んでいませんから、凱里市を拠点にして、車とガイドをチャーターする必要があります。勿論、高速道路沿いでも少数民族の集落を見る事は出来ますが、観光地の感はぬぐえません。
ミャオ(苗)族の集落へ 私達は、林国成さんの車に乗せてもらって、凱里市郊外の香炉山周辺のミャオ族の集落を訪ねることとし、早朝6:30ホテルを出発しました。ホテルの朝食はまだ出来なかったので、途中のローカル食堂で牛肉粉を食べ、水などを調達して出発しました。途中、所々工事中がありましたが、概ね快適な高速道路でした。ただ途中にトイレが少なく、苦労しました。日本の様なドライブインはまず期待できませんからご注意を。
凱里市 私達の車は3時間ほどかかって凱里市に着きました。凱里市は小さな街で北京東西路と詔山南北路の二本の道路があり、その交わった所が町の中心で、ここではミャオ族やトン族が集まる自由市場が立つそうです。市内そのものは、州の民族博物館がある程度で、特に見所はありません。私達はここで、現地のガイドと合流し、ミャオ族の集落へ向かいました。

下のをクリックすると銀の飾りを多用した豪華な民族衣装で着飾った苗(ミャオ)族の祭りを動画でご覧いただけます。動画下のをクリックすると全画面表示でご覧いただけます。

周りの景色に見とれて時間はよく分からなくなってしまいましたが、小一時間程で、目指すミャオ族村が見えてきました。
ミャオ族の高床式家屋はほとんどが山の斜面に建っており、集落は川に面した所にあるそうです。川には屋根のついた橋(風雨橋)がかかっていました。風雨橋は観光案内書等で、良く見かけましたが、目の前にするといよいよ来たな!という思いでした。村の入り口には銀の飾りを多用した豪華な民族衣装で着飾った娘さん達がで迎えてくれました。ミャオ族の衣装は130もの種類があると言われ、一民族の衣装としては世界に類をみない多さだそうです。
観光客らしき人が全く居ないのでおかしいな?と思って、後で聞いたら、この日はちょうど村の祭りだったそうです。事前に林国成さんが調べておいて、時間に合わせくれたようでした。私達はガイドさんの案内で村の中を通って、小高い山の上にある村の広場に向かいました。村の中ではミャオ族独特の高床式住居を目の当たりに見て感激でした。ミャオ族は、主に陸稲やトウモロコシを栽培しており、各家の軒下からは、沢山のトウモロコシが吊り下げられていました。周囲の山の斜面には段々畑が広がっていました。更に坂道を登って行くと、周りが見渡せる一層高い所に有る村の広場に着きました。
祭りは既に始まっていました。広場の中央には、太陽と月を頂いたポール建っています。ミャオ族の信仰の象徴です。これを中心に踊りの輪が広がっています。老いも若きも、大人も子供も村中が集まっていました。周りのベンチでは、老人が気持ちよさそうに昼寝していました。祭りの衣装の華やかさ、踊りの軽やかさと、かさなって、自然に溶け込んで暮らす人間の幸せを感じました。
やがて祭りもフィナーレを迎えました。全員が参加して輪になって踊ると言うより歩くのです。私達もガイドに薦められて、輪の中に入りました。子供達は、どこの国も子供です。一緒に手をつないで、終わりになるまで踊りました。ほんとに、ここまで来た甲斐がありました。(上段のから、銀の飾りを多用した豪華な民族衣装で着飾った苗(ミャオ)族の祭りを動画でご覧いただけます。)
私達も、銀の飾りの民族衣装を着せてもらって記念撮影をしましたが、その民族衣装のなんと重い事か。よくこんなに重いもの着けておどれるなー?とビックリ。
村を出るころは、既に午後3時頃になっていました。昼食をとるのも忘れられていました。急に腹が減ってきました。お世話になったガイドさんに案内してもらって、貴州の名物料理「八宝氣鍋魚」をたべに行きました。貴陽に帰りついた時は、夜も8時近くになっていました。


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[特記事項]
この他の観光地
州民族博物館・トン族鼓楼・鎮遠
有名な料理
:八宝娃娃(山椒)魚・八宝氣鍋魚。全体的に酸味の効いた料理が多い。
美味いもの:餃子・牛肉粉。牛肉粉屋さんは、朝から大流行。日本のサラリーマンの朝飯といった感じでしょうか。
特産品:マオタイ酒・お茶・蝋付け染め
少数民族:ミャオ族・トン族など


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.R.HORI & Y.FUNATSU
公開日: 2002.08.10 更新日2013.03.01