堀・船津の中国旅行記
海南省
 

本文中のを押すと画像がご覧頂けます

2012年6月20日17時50分 広州空港から海南省三亜(SANYA)市の三亜鳳凰国際空港に到着しました。空港は中国では珍しく小さな空港です。空港ビルを出ると南国の風情です。タクシー乗り場と市内行の民航バス乗り場があって市内へのアクセスに問題はありません。(市内へのアクセス等は下段の特記事項をご覧ください)
2010年末に、省都である海口市と三亜市を時速250キロで結ぶ(動車組=中国新幹線)海南東環鉄道が開通し、海南島内の移動も大変便利になっています。この動車組は海口美蘭国際空港にも停車するので利用価値大です。
三亜市は 海南島の最南端に位置する海南省第2の都市ですが、人口50万人足らずの小さな街です。南シナ海に面しハワイとほぼ同緯度にあり東洋のハワイと言われる所以です。近郊には3カ所のビーチ(下段「三亜のビーチについて」参照)があり外資系の高級ホテルが立ち並ぶ、中国有数のビーチリゾートとなっています。ホテルのプールやプレイベートビーチでのんびり過ごしたり、夕食はガーデンレストランなど、如何ですか。南国の蝶や花も目を楽しませてくれますよ。
歴史的には、中国と東南アジアを結ぶ海上交通の中継地としての位置付けにあり、また中原を都とした歴代王朝の流刑地として使用されていた所でもあります。日本との関係も深く、鑑真和上が嵐にあって漂着した場所としても知られています。
三亜の楽しみ方はいろいろですが、ここで見所(観光スポット)に絞って紹介しましょう。三亜の主な見所はビーチを別にすれば、市街地から西側に多く有ります。観光が主目的なら三亜湾ビーチに宿泊するのが便利です。タクシーも拾いやすいし市街地を通らないので、スムーズに移動できます。三亜湾ビーチから西に向かって、8キロ程の所にあるのが 天涯海角遊覧区(tian ya hai jiao you lan qu)です。

ビデオ映像はただ今作成中です


本文中の
を押すと画像がご覧頂けます

天涯海角遊覧区は 人民幣2元札の裏面にも描かれている「南天一柱」の岩石がある事で有名です。天涯海角とは「空の果て、海の果て」という意味で、歴代王朝の流刑となった人々が、帰郷への思いを込めて、浜辺にある岩に文字を刻んだと言われています。
入場券(入場料等は下段の特記事項に記載しています)を買って入口(地図内番号1)を入ると左側に遊覧車(電動カート)乗り場(同2)があります。入口から見所の南天一柱(同5)まではかなり遠く、途中は普通の公園で大した見所もないので、遊覧車に乗った方が時間が稼げます。遊覧車の走行ルートは地図(黒の太線)の通りです。景区の中心となるモニュメント「天涯海角星」(同3)等、公園内を一巡りし終点の(同4)に着きます。ここからは海岸の遊歩道を歩く事になります。丘側にも遊歩道がありますが、行きは砂浜沿いに歩き(足場が悪いので歩きやすい靴が良い)、帰りを丘側の遊歩道を歩くのが良いようです。椰子の木が茂る砂浜を10分程歩くと南天一柱(同5があります。記念撮影する人で順番待ちの状態ですから直ぐわかります。更に20分程歩くと天涯石(同6)があります。海岸は更に続いていますが、見所は天涯石の裏側の岩場辺り迄です。帰り
は丘側の遊歩道を通ります。ややアップダウンがありますが、熱帯植物園風になっています。滝などもあって暑い季節なら涼を感じることができます。遊覧車の終点(同4)まで戻ると、売店があり椰子の実を山積にして売っています。1個10元でした。ナタで切レ目を入れてもらってストローで飲みます。暑い所で海を見ながら一気に飲み干す・・・、何とも贅沢なひと時でした。一息ついたら、ここから遊覧車に乗って、最初の入口の所に戻ります。さて時間も無くなって来たので急いで出ようとしたのですが、正面の景区入口からは出られませんでした(やや焦った)。出口は(同7)の所にありました。景区出口と書いた看板があります。出口となる建物に入ると中は土産店がすらりと並んでいて迷路のようです。案内版に沿ってやっと出口かと思ったらそこは裏の駐車場(同8)でした。タクシーやバスに乗るためには、景区入口まで更に歩く必要があります。土産店が少なければ冷やかしに見て歩く気にもなりますが、これだけ沢山の店舗が迷路の様に連なっていると出口を探すのに冷やかし所ではありません。高い入場料をとってこれですから、中国の社会主義市場経済も度が過ぎるのでは?と感じた一面でした。 天涯海角遊覧区から更に西に向かって、18キロ程の所にあるのが南山文化旅游区(nan shan wen hua lue you qu)です。

南山文化旅游区は、南山仏教文化苑・大小洞天・福寿天地などの見どころが集まった観光エリアの事で、その広さは35平方キロもあります。1日で全でを見る事は出来ませんから、旅游区のメインである、南山佛教文化苑(nan shan fo jiao wen hua yuan)の歩き方を紹介します。南山佛教文化苑の最大の呼び物は「108mの南山海上観音聖像」です。また、この地は鑑真和尚が748年に5回目の渡日を目指した時、激しい嵐に遭い14日間漂流して漂着した場所とされています。更にまた、空海(遣唐使の留学僧として803年に唐に渡った)が、嵐に遭って漂着したと伝えられています。正門に到着すると右側に入場券売り場(入場料等は下段の特記事項に記載しています)があります(地図内番号1)。入口を入ると不二法門があります。その先の光明広場の左側に遊覧車(電動カート)乗り場(同2)があります。苑内は広いので遊覧車を利用する事になります。苑内には沢山の見所がありますが、主な見所を遊覧車の停車駅順に紹介しましょう。最初の停車駅が、金玉観音堂(同3)です。本尊の金玉観音は、高さ3.8mで100キロもの金や宝石を使い、建立に要した額は2億元(30億円)という事です。遊覧車は、(象の彫り物が並ぶ)群像彫塑→(観世音菩薩は全ての人を救う為三十三の姿に変身するとされる三十三観音としては世界最大規模の)三十三観音堂→(鑑真和尚と空海の像が安置されている)南山別院などを巡りながら、西端にある南山寺遊覧車駅(同4)に着きます。南山寺(同4)は、中国で一番南にある山と言う意味で“南山”と呼ばれる山の山麓にあります。背後(北)に南山、前面(南)は南海に面した景勝地にあります。南山寺を拝観した後、更に進むと観海平台(同5)があります。ここからは、岩がむき出しの海岸の向うに南シナ海が一望できます。また左側には108mの「海上観音」も一望できます。振り返ると(山側に)兜率内院があります。兜率内院を抜けると広場があり、両脇に鐘楼、正面に金堂があります。金堂の両脇には、観音殿と地蔵殿があります。建物や仏像類はいずれも新しいものですが、それでも鑑真和尚や空海の世界に思いを馳せる事が出来るでしょう。一旦南山寺遊覧車駅(同4)に戻り、再び遊覧車に乗ります。次の下車駅は南山観音遊覧車駅(同6)です。遊覧車駅を下りると空にそびえる6本のモニュメント(経棟と呼ばれる仏教上の石柱です。写真は2本の柱が写っています)が目に入ります。ここが海上観音の入口になります。ここから延々と参道が続きます。海上観音は文字通り海上に建っており、陸側とは普済橋で繋がっています。普済橋とは万物(又は全ての人)を救済する橋と意味が込められているようです。南山海上観音聖像(同7)は、1999年に建設が始まり6年後の2005年4月24日に開眼供養が行なわれました。その高さは108mあり台座も含めると135mもあります。観音像には正面が3つあり、1つは島の方を、残り2つは南シナ海を向いています。観音の慈悲を中国と世界全体に与える意味合いを持っています。菩薩像の手元に注目してください。3面ある菩薩像の内陸側のそれは左手で経典を抱え、海側の一面は手のひらを交差させ数珠を持っています。残る一面はハスを持っています。空海記念苑(同8)は、南山観音遊覧車駅(同6)から光明広場(同2)に戻る途中にあります。2009年に香港修明学会の李居明氏によって、日中仏教文化交流を目的に建設されたものです。正面には高さ2.8mの空海の銅像があります。以上のルートで急いで周っても、所要時間は3時間はかかります。


本文中のを押すと画像がご覧頂けます
鹿回頭公園(lu hui tou gong yuan ) は、三亜市街から南に約10キロ、海抜181mの小山にある公園です。山の形が海辺にたたずんでいる鹿が振返っている様に見える事から鹿回頭公園と呼ばれます。公園入口付近から山頂近くまで電動カートがあります。かなり長い坂道なのでカート利用が楽です。山頂には少数民族リー族の伝説に基づいた鹿回頭彫刻像(右の写真)がある程度で、これといって見るべきものはありません。ただ山頂からは三亜市の全景が眺められますから、景色を見たい人は行ってみると良いでしょう。
海口へー22日9:30三亜駅発の和階号D7310で海口に向かいました。(和階号とは中国新幹線動車組の事でその説明はここをクリックして下さい)
この続きはここをクリックして「海口」をご覧ください。三亜駅〜海口までの和階号乗車記も記載しています。
<三亜のビーチについて>
(三亜湾ビーチ)市内の西側10キロ程の所にある全長15キロ程のビーチです。空港からも近く、天涯海角遊覧区や南山文化旅游区に行くのも便利な位置にあります。オーシャンビューのリゾートホテルが沢山あります。観光とリゾートホテルの雰囲気を両立させるには最適の場所です。
(亜龍湾ビーチ)市内の東側28キロ程の所にある全長10キロ程のビーチです。老舗の高級ホテルが立ち並ぶ高級リゾートです。市街地から遠く(タクシー50元程)特別の見所もないので、カップルやハネムーン向けといった所です。
(大東海ビーチ)市内の南東側3キロ程の所にある全長3キロ程のビーチです。近くに鹿回頭公園があります。前述のビーチより低価格帯のホテルがあります。
<三亜での日程紹介>
1日目広州空港発16:25→三亜鳳凰国際空港着17:50→(タクシー)→三亜火車駅で22日動車組票購入→(タクシー)→19:30三亜湾暇日酒店着
2日目三亜湾暇日酒店9:00→(タクシ75元)→南山文化旅游区→昼食→(タクシ45元)→天涯海角遊覧区→(タクシ75元)→鹿回頭公園→(タクシ50元)→三亜湾暇日酒店着17:00
3日目三亜湾暇日酒店チェックアウト8:10→(タクシ30元)→三亜駅発9:30→(動車組D7310)→海口東駅着11:31

本文中の
を押すと画像がご覧頂けます
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------
[特記事項]
記載情報の入手日(=旅行日):2012年6月
空港から市内までのアクセス:鳳凰国際空港から市街地までの距離は約15キロ、タクシーで30分(50元)程度です。民航巴士(エアポートバス)もあります。両方とも空港を出た所に乗り場がありますが、タクシーはメーターではなく(行先にかかわらず)50元と言われるようです。メーター料金より少し高めの様です。空港以外で拾うタクシーの料金はメーターの料金通りです。
市内の交通事情:地下鉄こそありませんが、バス路線が多く、またタクシーの台数も多いので移動には問題ありません。
三亜火車駅:新しく建設された動車組の駅です。空港の東12キロ、三亜市の北7キロ(タクシーで10元以内)程の所にあります。
三亜から海口への動車組アクセス:三亜火車駅始発で、海口東駅行きと海口駅行があります。また三亜から海口美蘭国際空港を利用したい方は、ほとんどが美蘭国際空港に停車しますから大変便利です。料金は海口までの2等が90元(1等108元)、海口東までの2等が84元(100元)、美蘭までの2等が80元(95元)です。始発は6:30からでほぼ30分毎にあります。所要時間は海口東までが2時間弱、海口までが2時間20分です。
宿泊したホテル:三亜湾暇日酒店(三亜湾路の中間にあるリゾートホテル)
入場料等の費用:南山文化旅游区=入場料150元・電動カート30元(乗り降り自由)、天涯海角遊覧区=入場料100元・電動カート15元(乗り降り自由)、鹿回頭公園=入場料・電動カート10元(乗り降り自由)
その他の特記事項:三亜湾暇日酒店のプールサイトでシーフードのディナービッフェをやっていましたが、水曜日だけの営業でした。
------------------------------------------------------------------------------------------
-----------------

このページに関するご感想やご意見などを、お待ちしています。

.R.HORI & Y.FUNATSU
公開日: 2002.08.10 更新日2013.03.01