6月29日延吉郊外の西古城遺跡の発掘現場を経由して一路長白山に向かいました。延吉市内から、長白山の起点となる二道白河鎮までは、省道202号線を通って200キロ程、チャーター車で約4時間半。ここから長白山の北坡山門までは、南に向かう県道1110号に入って16キロ程、同約30分。片道約5時間の道のりですから、延吉からの日帰りツアーもありますが、かなりの強行軍です。 長白山の概要-吉林省と北朝鮮の国境付近に跨る標高2749mの長白山は、朝鮮語では白頭山と呼ばれています。中国東北部の最高峰で、中国で始めて重要自然保護地区に指定された場所です。富士山と同じ休火山で裾野は広大な森林地帯となっています。海抜2600m以上の峰が中国側に6峰あり、その最高峰は白雲峰-8(数字は2段目「長白山天池周辺図」内の番号です)で海抜は2691m、朝鮮側に7峰あり、最高峰は将軍峰-10(中国名は白頭峰)で海抜は2749mあります。国境地帯にも3峰あり合計16峰からなっています。 長白山の入山口ー北坡山門と南坡山門、西坡山門の3カ所があり、北坡山門が最も一般的な入山ルートです。山門にはチケット売場や観光案内所などがあります。また長白山風景区の各所と連絡するシャトルバスもここから出ています。ここでは入山料100元とシャトルバス代68元の合計168元を支払います。南坡山門は、北朝鮮との国境に近いルートです。国境が近いため以前は立入禁止地区でしたが、2008年から観光できるようになりました。このルートのメインは国境に聳える冠冕峰(2,566m)付近の展望台-9からの眺めです。 ただこのルートは公共交通が少なく個人旅行者にとっては簡単ではないようです。旅行社のツアー等に参加するのが無難の様です。(2013年7月追記)2012年に本格的な登山ルートが開通したそうです。西坡山門は、2008年開港の長白山空港から最も近い山門です。長白山空港(Changbaishan Airport)は吉林省白山市撫松県松江河鎮にあり、最寄の白山市中心部から東に150km程の所に位置しています。空港から各山門までの凡その距離は、西坡山門15km、北坡山門120km、南坡山門135kmです。2011年現在の便数は、上海浦東・北京・延吉・長春の1日4便のみです。以上の事から、当面は延吉から二道白河を経由して入る北側ルートが無難の様ですから、ここでも北側ルートに絞って紹介します。 長白山の天候ー北緯42度付近にあり日本で言えば函館と同じ位の緯度にあります。しかも標高が2500m以上ですから、夏でも防寒対策は勿論のこと風と雨への備えも必要です。気温は夏でも20度以下(7月の平均は10℃)、冬では−50度近くにもなるそうです。夏場の平均風速が11.7m、冬場は20mにもなるそうですから、毎日が小型台風の中と言った感じです。肝心の天池の眺望ですが、1週間待っても見られない事があるそうですから、正に「運を天に任せる」の世界です。ベストシーズンは6月〜7月半ばです。入山した当日も(やはりというか)小雨と霧で最初から雨合羽を着こむ事になりました。観光ルートも大幅に変更した為、ここで書くのは、限られた場所のみとなってしまいました。ではこの日のルートを次の段で順番に説明していきます。
下のをクリックすると標高2,189mにあるカルデラ湖「天池」とその天池から流れ落ちる長白瀑布を動画でご覧いただけます。動画下のをクリックすると全画面表示でご覧いただけます。
この日のルートー北坡山門〜(シャトルバス)〜運動員村駐車場-1〜(四輪駆動車道-2)〜天文峰駐車場-3〜(徒歩)〜天文峰山頂(天池を望む)〜(徒歩)〜天文峰駐車場-3〜(四輪駆動車道-2)〜運動員村駐車場-1〜(徒歩)〜長白瀑布-6〜(徒歩)〜長白山温泉入浴-4〜(徒歩)〜運動員村駐車場-1〜(シャトルバス)〜北坡山門〜二道二道白河ホテルへ。
長白瀑布は、天池の北側にある落差68mの大きな滝です。滝の水は二道白河に流れ込みます。黒龍江省哈爾濱のロープウエーから眺めた松花江の流れも、ここ長白瀑布が源流です。この流れは更にロシアのアムール川と合流する事になります。瀑布から天池に登る事もできますが、かなり急な石段を登る事になります。 長白瀑布から温泉へー長白瀑布から運動員村駐車場に戻る途中、まだ時間があったので、温泉に立ち寄ってみました。脱衣場の効能書によると83度の天然硫黄温泉と書いてありました。ロッカーや貸しタオル等も完備していますから手ぶらでも入浴できます。浴室内は木作りで、広くて感じは悪くありませんでした。温泉がかなり熱めなので、のんびりという訳にはいきませんでしたが、時間があれば立ち寄ってみるのも良いです。 依然として天候は回復せず、早々にホテルに向かう事にしました。ホテルは二道白河鎮の長白山大厦でした。チェックイン後、ガイドさんと運転手君と3人で地元の鍋料理を食べにいきました。 明日は、同じチャーター車で集安に向かいます。この続きはここをクリックして「集安」をご覧ください。 その他の見所 中朝国境:中朝国境線は、2段目の「長白山天池周辺図」に黄色い線で示しているように、天池の中央を東西に横切っています。周辺図の左側(北)が中国で、右側(南)が北朝鮮となります。北坡山門から入って天文峰に至る場合は国境までは行けません。南坡山門から入ると中朝国境に聳える冠冕峰(2,566m)付近の展望台-9へ行けます。展望台付近には中朝の国境を示す4号定界石(Google Earthから引用)があります。(定界石=中国と北朝鮮は、1990年に長白山の領有権を定め、この証として長白山の境界に21個の境界石を立てました。4号定界石は、この21個の内の4番目にあたるものです) この辺りからは、北朝鮮側の最高峰将軍峰-10(中国名は白頭峰で2,749m)を望めます。 地下森林(谷底森林);火山活動で、3キロ四方が60m陥没した後に出来た森林です。展望台から地下森林を見る様になっています。近くに洞天瀑布もありますが、どちらも時間の余裕があればと言う程度です。シャトルバスの地下森林バス停で下車します。 --------------------------------------------------------------------
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.R.HORI & Y.FUNATSU 公開日: 2002.08.10 更新日2014.01.19