堀・船津の中国旅行記
九賽溝 黄龍 楽山 峨眉山

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2007年9月17日20時5分西安から空路で九賽黄龍空港に到着しました。
九賽溝(Jiu Zhai Gou)風景区の概要ー四川省成都市の北400km程の四川省阿覇チベット族チャン族自治州・九寨溝県にあります。5000m級の峯々が連なる岷山山脈の山麓にあって、九賽溝風景区の入口付近の標高は2000m、最高地点の長海で3120mあります。大小100余りの湖が点在し美しい景色を作り出しています。1992年12月14日世界自然遺産に登録されました。風景区の総面積は約720平方キロ(東京23区より一回り広いが観光出来る所は80平方キロ程度)。北にある入口から、南に向かって逆Y字形に伸びる3本の峡谷からなります。Y字型の下にあたる所が樹正溝景区で14キロ、左(東南)にあたる所が則査窪景区で17キロ、右(西南)にあたる所が日則溝景区で18キロあります。ここには9つのチベット族の村がある事から「九つの村がある谷」と言う意味で「九寨溝」と呼ばれています。現在実際に観光できるのは、荷葉寨・樹正寨・則査ワ寨の3ヵ所です。
九賽溝への行き方ー九賽溝へ行くには成都から向かうのが一般的です。陸路と空路がありますが、陸路では11時間以上、飛行機なら1時間足らずです。飛行機は、成都の他、西安や重慶からも直行便があります。ちなみに私達は西安から九賽溝に入りました。九賽黄龍空港は、九賽溝から南に100キロ程離れた川主寺鎮にあり、タクシーでも1時間半位掛ります。又空港の標高が3600mと高く、空気もかなり薄いので、飛行機を降りたらゆっくり動くようにした方が良いです。
九賽溝周辺の気候と服装の準備ー私達が行った(9月)時は、晴れで昼間の気温は20度程で歩くと暑い位でした。9月頃の平均気温は17度で、曇りや雨の昼間は10度前後になるそうです。夜は冷えました。0度近くになる事もあるそうです。九賽溝から黄龍に向かう雪山梁の峠は標高が4200mにもなり、吹雪でした。九賽溝周辺を観光する人は、夏場でもヤッケ等、厚手の上着があれば安心です。代わり易い天候なので雨具も必需品です。
入場券購入と入場口の説明ー風景区の入口前の大きな広場は人で大混雑しています。「九賽溝」と書かれたゲートが正面に見えますが、そこまで行ってしまうと入場券が買えません。正面にゲートを見て、左の建物の方に歩いて行くと、入場券の売場があります。一番手前の方のカウンターには、外国人専用のカウンターがあり日本語が出来る人もいます。ここで入場券と観光車券を購入します(入場料等は下欄外の特記事項を読んで下さい)。
下のをクリックすると風景区を走る観光車ルートと美しい景色を動画ご覧頂けます。動画下のをクリックすると全画面表示でご覧いただけます。

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九賽溝風景区の歩き方ー風景区内の移動は専用のエコバスで移動し好きな場所で下車して散策します。乗り降りは自由でバスの台数も多くほとんど待たないで乗れます。但し、入口のバスターミナルや風景区の中心点にあたる諾日朗観光客センターの乗り換えターミナルは、大変混雑します。上段のから風景区を走る観光車ルートと美しい景色を動画ご覧頂けます。
Y字型の一番下が入口で標高は2000mあります。最高高度地点はY字型の左最上部にあたる所にある長海で標高は3120mです。Y字型の右側は原始森林方面となっています。原始森林口で標高は3000m弱です。Y字型の真ん中にある諾日朗観光客センターが3本の渓谷の分岐点になっています。諾日朗観光客センターはかなりの広さ
で、各渓谷へ向かうバス停は離れていますから案内標識に注意して下さい。区内の車道は完全舗装されているし、遊歩道も整備されて歩き安くなっています。各所には案内版も整備されていますし、必ず何処かのバス停につながっていますから、遊歩道から外れない限り、道に迷う等の危険は無いようです。
風景区の売店とトイレー風景区内の売店は食堂は諾日朗観光客センター
以外ありません。風景区の入口前広場の入場券売場付近には、各種売店がありますから、飲み物や食べ物はここで購入して入場すると安心です。トイレは風景区内の各所に衛生的なトイレが設置されていますので問題ありません。

観光ポイント紹介ー峡谷に沿って、青く透明な湖沼や滝が至る所に点在しています。湖水に溶け込んだ石灰と豊かな森の恵みが織り成す不思議な造形と美しい風景、その主な観光ポイントを、最深部の方から順番に紹介していきましょう。
(則査窪景区)長海ー名前の通り先が見えない程長い九賽溝最大の湖
です。大昔、海の底から隆起した石灰岩質の山が、その後氷河によって削りとられ、その跡に出来たのが長海です。長海の石灰を含んだ水が、地下水脈を通って九賽溝全体を潤しているのです。言い換えれば、九賽溝の神秘な景色は、長海が育んだと言えるでしょう。ここには、記念撮影用の貸民族衣装屋が沢山いますが有料です。
五彩池
ー長海から、徒歩で少し下った所にあります。九賽溝の中で最も透明度の高い湖で水深30mの湖底が手に取る様に見えます。コバルトブルーの湖面の色の美しさは、どう言い表していいか分からない程です。あえて表現するなら「神秘の美しさ」と言った所でしょうか。その神秘の美しさとは裏腹に、写真を撮る人や何時までも眺め続ける人で、遊歩道は満員盛況でした。写真を撮りたい人は足元に気をつけましょう。
則査窪景区の見所はこの2ヶ所位です。一旦、五彩池からバスで諾日朗観光客センターに下り、他の景区に向かうのが良いでしょう。
(日則溝景区)天鶴海
ー白鳥が飛来する事から天鶴海と呼ばれています。九賽溝の中では変わりダネの湖です。土砂が沈殿して水深が浅くなり、そこを緑の草が覆う様になりました。天鶴海に沿って下ると緑の草をぬって水が流れている所に出ます。この辺りは区別して草海とも呼ばれています
箭竹海
ー湖面は大きく面積17万平方mあり、水深は6mです。湖畔には矢竹が生い茂っています。穏やかな湖面は紺碧で、周りの山影が湖面美しく逆さ影を描き出しています
箭竹海瀑布ー
豊かな木々と豊富な水が作り出す原生林の中
をしばらく歩くと箭竹海瀑布が見えてきます。落差7mながら横幅は200mもあります
熊猫海(パンダ海)
ー箭竹海から少し下った所にあります。水深は14m。地形の関係で湖面が静かな為、周辺の景色が湖面に逆さ写しになりとても綺麗です。ジャイアントパンダが現れて、水を飲んだり餌をあさったりする所から、パンダ海と呼ばれています。


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五花池ー九寨溝でも最も美しい湖の一つです。水深5mの透き通った水の中には100種類もの藻が生えており、その藻の種類と光の作用とが溶け合い、周囲の森の色と相まって、淡黄色、鉄色、濃紺、藍色等、さまざまな美しい色に変化していきます。別名「孔雀の羽」と呼ばれる所以です。透き通った水の中に見える流木がさらにその美しさ増しています。また、沢山の魚を見る事が出来ます。この魚は九賽溝の湖沼に唯一生息している、「嘉陵裸裂尻魚」で、太古の昔から生き続けている固有種なのだそうです。勿論、獲って食べたり餌をやる事は厳禁です。
珍珠灘
ー長海から地下水脈を通って流れ出た豊富な水が、岩肌全体を覆いながら幅広に広がって流れ落ちる事から灘と呼ばれ、岩肌を流れる水の飛沫が真珠のように見えることから、「珍しい真珠の灘」と言う意味で、珍珠灘と呼ばれています。
珍珠灘瀑布ー珍珠灘を横切って急な階段の遊歩道を下ると珍珠灘瀑布が見えてきます
。幅200m、落差40mの滝で、滝の側に掛けられた階段を下りながら見る滝は壮観です
諾日朗瀑布ー鏡海の水が、幅320m落差25mの滝となって流れ落ちています

(樹正溝景区)犀牛海
ーこの辺りまで来ると海抜は2400mまで下がってきます。長さ2キロ、水深18mで、樹正溝で最も大きな湖です。
樹正群海
ー大小約30のハイズが棚田のように見えます。もともと大きな湖だった所に、崖崩れ等によって土砂が流れ込み、そこに石灰が溜まり、ハイズと呼ばれる小さな湖が出現したと考えられています。水中には白く固まった石灰が確認でき、水の青と石灰の白が美しいコントラストを演出しています
樹正瀑布
ー樹正群海の上と下の高度差は100m程あり、落差が大きい所では、美しい滝となっています
火花海ー上の湖から下の湖に流れ込む水の漣
が太陽の光でキラキラ光る様が、火花を散らしたように見える事から火花海と呼ばれています。
その他の観光ポイントー宝鏡崖景区にある孔如寺や民族村
も公開されています。
九賽溝で2泊した私達は、3日目の午後からタクシーをチャーターして、九塞溝のさらに奥地にある「黄龍」に向かいました。この続きは「黄龍」のページをご覧ください。
九賽溝で写した草花や生き物を
GIF画像で紹介しています

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[特記事項]
チベット族歌舞「蔵王宴舞
」;入場料180元。夜はホテルでも民族ショーなどをやっているようですが、ここは本格的な劇場です。ホテルのフロントで事前に予約してもらうと良いでしょう
入場料;220元。外国人も含め60〜69歳は170元、70歳以上は入場無料。オフシーズン(11月〜2月)は180元に下がる。翌日も観光する人は、1日目出口
で登録すれば、翌日も2回目の専用通路から入場できます。チケットは入場券と観光車券が一緒についています
九賽溝風景区内観光車:90元(一日乗り降り自由)。オフシーズン(11月〜2月)は80元。風景区内は専用の観光車
で移動する事になりますから、必ず購入する必要があります。
九賽溝入口に一番近いホテル;荷葉迎賓館
3星級 0837-773-5555
名物・美味い物; 四川料理が中心で、特筆すべきものはありません。入場券売場付近の売店で売っている「とうもろこし」は、見かけは日本と同じですが、硬くて味も無く、絶対に食えませんよ。

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.R.HORI & Y.FUNATSU
公開日: 2002.08.10 更新日2013.03.01