堀・船津の中国旅行記
四川省
九賽溝 黄龍 楽山 峨眉山

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私達は空路で成都に到着し、あらかじめ予約していた車(チャーター車)で直接楽山へ向かいました。 空港から楽山市までは約160キロ強、高速道路で結ばれており2時間弱で到着しました。楽山大仏(leshen dafo)は、四川盆地の南西部、長江の支流である、岷江・大渡河・青衣江が合流する地点にあります。
昔々(7世紀後半)、それは唐の玄宗皇帝の時代、一人の旅の高僧が、凌雲寺
にたどりつきました。その名は「海通」。三つの江が合流するこの辺りは流れも速く、付近の村々は、度々洪水に見舞われていました。見かねた海通は、水害を治めるため、隣接する崖に大仏の建立を決心しました。これが楽山大仏の始まりと言われています。以来、海通は大仏建立の資金を集める為、村々を歩きまわりました。大仏の建設が始まったのは、海通が建立を決意してから30年も後の事でした。そして海通は、大仏の完成を見届ける事無く、建設開始から30年後の743年にこの世を去りました。大仏の完成は、海通の死から、更に60年も後の803年でした。工事で出た大量の土砂で川底が浅くなり、結果として水害は大幅に減った言われています。
楽山大仏
は、高さ71m(奈良の大仏は14.7m)幅29mあり、中国最大の石刻坐佛です。足の甲に100人が乗れるほどの巨大さです。完成当時は、大仏の全身を、金箔と朱色の法衣(ほうえ)に彩られ、13層の楼閣に覆われていたと言われています。又、近年の調査で、胸に人工的な石が埋め込まれているのが見つかりましたが、経典などを入れるための穴とみられています。
楽山大仏の歩き方ー大仏は前述の様に巨大なので、近くから見ても全体は望めません。そこでお勧めは、楽山水上遊覧船
です。左のから、「遊覧船から大仏を望む」動画をご覧頂けます。遊覧船は、楽山市区側にある1号埠頭と、その対岸の楽山大仏山門側にある2号埠頭から出ています。遊覧船は大仏の前で、しばらく停船しますから、大仏の全体像が撮影できます。遊覧船から全体を眺めたら、次は徒歩で大仏まで行きます。遊覧船からの眺めとは違った、大仏の巨大さを実感できますよ。
入り口は複数ありますが、正面入り口に当る北門
(山門とも言います)から入るのが良さそうです。ここに入場券売リ場もあります。石の階段を15分ほど登って行くと、凌雲寺(りょううんじ)の前に着きます。右正面には大仏の巨大な頭が見えます。楽山大仏の入場口と凌雲寺の入口は近いので、どちらから見ても良いのですが、大仏の入場口が混んでなければ、大仏が先の方が良いようです。だた、大仏の入場口は、観光ツアー等の団体で行列ができている時があるので、その時は凌雲寺を先に見るのも良いようです。また、この周辺に、海通像や海通が修行した場所と伝わる海師洞がありますから、混雑の度合いで見る順序を調整するといいでしょう。

下のをクリックすると「遊覧船から楽山大仏望む」動画をご覧頂けます。動画下のをクリックすると全画面表示でご覧いただけます。

楽山大仏の入口から、中に入ると、巨大な大仏のお顔が見えます。入るとすぐ急な階段にあります。大仏を正面から見て左側の石壁に険しい桟道が掘ってあり、九回も折れ曲がって下りていくようになっています。有名な「九曲桟道」です。「九曲桟道」の長さは400m位あるそうで、足がすくむ程の高さと、人一人が通れる細い急な階段です。途中の岩肌には、無数の仏像が彫られています。下を見ると遊覧船がいっぱいです。片手にビデオカメラを持って、もう一方はしっかり手摺をつかみながら、やっとこ、下に降り立ちました。見上げると又一段とその巨大さを実感させられます
階段を降り、大仏の前を通り、右側に歩いて行くと
、上に登る道があります。階段を登って行くと、凌雲寺の裏手に出ます。道なりに進むと、元の大仏入口(凌雲寺の入口もあります)に到達できます。
凌雲寺のご本尊は、56億7千万年後に姿をあらわすとされる「弥勒(みろく)菩薩」
で、大雄宝殿に祀られています。楽山大仏は、この「弥勒菩薩」を彫ったものとされ、人々は凌雲寺を、いつしか大仏寺と呼ぶようになったそうです。中に入ると、大雄宝殿の他、蔵経楼、天王殿、阿弥陀殿等の大きな殿宇が並んでいます。唐代に創建されたのですが、今の建物は明・清代のものだそうです。
凌雲寺の境内を抜けると、大仏の建立をすすめた海通をまつる海師祠
や東坡楼などの建物が木立の中にあり、散策を楽しむことができます。
霊宝塔は、その木立の間から見えてきます
。宋代に建てられたもので高さ40m、方形13層で、各層には石刻の仏像が安置されている室があります。塔頂に登ることもできます。
峨眉山へー三つの河の合流点に造られた、世界最大の「摩崖大仏」、その御顔が眺めている先には、中国仏教の聖地、峨眉山があります
。私たちも、峨眉山に向かう事としました。この続きは我眉山をご覧下さい。
<その他の見所>
麻浩崖墓博物館=後漢時代に断崖に掘られた陵墓で、公開されている1号墓は幅11m、奥行30m。壁に羊、虎、人の彫刻があります。
睡仏(寝ている大仏)=市内または遊覧船から、楽山大仏の方向を見ると、凌雲山と烏尤山が大仏が寝ているように見えます。凌雲山が睡仏の体に当り、楽山大仏がその心臓部に当り、烏尤山が頭部に当たります


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[特記事項]
楽山大仏入場料;門票70元、外国人も含め60歳以上は35元。(2007年9月現在)
楽山水上遊覧券;50元。(2007年9月現在)
名物・美味い物;四川と言えば直ぐ思いつくのが、マーボー豆腐(麻婆豆腐)。辛いのが苦手の人には、日本の湯どうふみたいなものもあります。
江団魚というナマズのような魚が名物らしく店が何軒もありましたが、値段がとても高く、あえて食べるほどでもないかな?

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.R.HORI & Y.FUNATSU
公開日: 2002.08.10 更新日2013.03.01