堀・船津の中国旅行記
山東省
   

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泰山は、山東省の省都済南市の100キロ程の南に位置する泰安市の北部にあります。最高峰は玉皇頂で標高は1,545m、中国五名山の一つです。「五岳之長」(五名山の長)とか「五岳独尊」(五名山の中で最も尊い山)と称され、歴代皇帝が皇帝である事を神に報告する「封禅の儀式」が行われていた山として知られています。また、全長が9キロにも及ぶ7412の石段がある事でも有名です。バスやケーブルもありますが、自分の足で登ればこそ価値があると頑張って上りましたが、下りの途中からは足がガクガクして、休み休み下山しました。往復の歩きは、大いに堪えました。ではその体験も踏まえて、済南市から泰山日帰りコースをご紹介しましょう。
済南市から泰安市へ

済南市からは鉄道を利用する方法と、長途汽車東駅発の長距離バスを利用する方法が一般的です。ただ日帰りとなると時間が限られますから、鉄道がお薦めです。鉄道駅は済南市が済南駅
、泰安市が泰山駅です。今回の旅では、済南駅7時30分発のK771次列車に乗りました。Kの付く列車は、短距離を走る特別快速で日本の急行にあたります。泰山駅までの所要時間は50分、料金は13元です。念の為、復路の切符も購入しました。泰山駅19時53発のK8282次列車です。泰山駅到着から出発までの時間は、約11時間という事になります。
朝食と携行する水や食べ物の調達
泰山駅の中や駅前広場には適当なレストランや店は有りません。広場の左手に十数階建の鉄道大厦
というホテルがあり、その先の東岳大街という大通りにでると左側に「RT-Mart」があります。ここには、ケッタキーやラーメン店等のファーストフード店から、飲茶や北京ダックの様なレストランも揃っています。泰山の頂上付近にも食べる所はありますが、山の上は衛生上の問題もあり(何より不味くて食えない)ますから、昼食やおやつなどの食べ物はここで購入していくのがお薦めです。水ペットボトルは山中でも買えますが、500mlの2本位あった方が安心です。では、いよいよ泰山登山について書きます。ここからは下図の番号や符号と対比しながらお読み下さい。
登山口は2カ所
泰山の登山口は4カ所あるそうですが一般的には泰山駅@
から近い2カ所です。その一つが7412の石段を通る紅門口Cで、歴代の皇帝もここを通ったというメインルートです。もう一つが天外村の広場Aからバスで中腹にある中天門Dの駐車場に至るルートです。料金は30元(片道)で所用時間は40分程度です。 両方の入口までの凡その距離と所要時間は次の様です。
(1)泰山駅@から岱廟Bの中を通って紅門口Cに至る場合は、泰山駅から東岳大街を通って岱廟までが、2.5キロ程、徒歩30分、タクシーで5〜10分程度です。ここから徒歩で岱廟の中を通って紅門の駐車場までが、1.5キロ、徒歩20分です。済南市から日帰りする場合は、かなり時間がタイトになります。足に自信が無い人は、岱廟を飛ばして直接、紅門に至る駐車場まで行く方が無難です。なお、泰山駅からは公共バス(2路線、料金2元)もあります。
(2)泰山駅@から直接、紅門口C駐車場まで行く場合は、3キロ程、タクシーで10分程度です。
(3)泰山駅@から中天門Dに至るバス乗り場がある天外村の天地広場A
までは、3キロ程、タクシーで10分程度です。なお、泰山駅からは公共バス(3路線、料金2元)もあります。

下のをクリックすると「中天門索道と十八番石段の模様」を動画でご覧いただけます。動画下のをクリックすると全画面表示でご覧いただけます。

登山の方法は主に2通り
泰山登山の本流は何と言っても自分の足で7,412の石段を登る方法です。もう一つは、麓の天外村天地広場A
から中腹の中天門Dの駐車場(標高847m)を往復するバス(30元)を利用する方法です。所用時間は約40分です。更に中天門Dから十八番(最大の急勾配の石段がある)の上に位置する南天門E(標高1460m)まではロープウエー(中天門索道=80元)があります。所用時間は10分程度です。自分の足で往復するのは(しかも日帰りの場合は)時間的にも体力的にもかなりハードですから、自分の体力に合わせて、乗り物を組み合わせて利用すると良いです。ではまず、バスとロープウエー(索道)について簡単に書いておきましょう。
天外村天地広場と中天門を往復するバスについて
天地広場
は泰山の西側の渓谷の入口付近に当る場所で丸い広場が特徴です。20年ほど前に泰山遊覧道路の基地として新しく作られたもので、広場の面積は3.5万uもある巨大な広場です。この広場から中天門まで沢山のバスがピストン輸送しています。渓谷を縫うように作られた車道ですから全長は15キロにもなりバスでも4〜50分程もかかります。バスの料金は片道30元で、その他に入山料として127元が必要です。バスは途中下車が可能です。また下りは中天門の広場から天外村行のバスが出ています
中天門D
と南天門Eを結ぶロープウエー(中天門索道)について
中天門
に到着すると索道方面の案内が出ています。片道80元です。8人乗りのゴンドラがスキーリフトの様に次々に連なってやってきますから待たずに乗る事が出来ます。標高差は約500mで所用時間は10分足らずで、南天門近くの山頂駅に着きます。頂上に近くなると、勾配も急になり風も強まってゴンドラが揺れます。ちょっとスリルが味わえますよ。中天門索道と十八番石段の模様は、上段のから動画でご覧頂けます。
ではいよいよ本流の石段登りを紹介しましょう。
泰山駅@からバス又はタクシーにのり紅門路にある駐車場Cまで行きます。ここから両側に土産店が並ぶ紅門路
を北に向かいます。右手に遊人服務中心(旅行案内所)がありますから立ち寄ってみましょう。泰山の観光ポイントの他、当日の天候や気温も分かるようになっています。その先に一天門の石碑坊があります。ここからがいよいよ登山開始です。石段を登り始めると間もなく紅門-aがあります。ここでは入門ゲートがあり入山料というか入場料(127元)を払います

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この紅門-aから南天門Eまで6293の石段があります。その中間点が中天門Dです。中天門までの標高差は700m程で、石段の幅も広く比較的緩やかな登りとなっています。しかし、中天門Dから南天門Eにかけては石段の幅も狭くなり勾配も急で正に心臓破りの階段となります。特に十八盤-iは、泰山登山最大の難所で、石段の数は1659段、標高差は400m、長さは800mに及びます。上に行くほど急坂になり最大の角度は70度にも達するそうです。石段の踏み幅は人の足の半分ほどしかなく手摺に捕まって登る人や四つん這いで登る人もいます。紅門から南天門まで自分の足で登ると5時間は悠にかかります。
それでは紅門-a
から南天門Eに至るポイントを書いておきます。上図の番号や符号と対比しながらご覧ください。
.紅門-a
(チケット売り場があります)、万仙楼-b、.闘母宮-c三官廟-d、水簾洞-e、壺天閣-f、観音殿-g、中天門D(中間点に当り、バスやロープウエーの乗降場があります。中天門からは南天門とそこに至る石段が遠望できます)、、対松亭-h、十八盤-i(最大の難所で1659の石段があります)、昇仙坊-j、南天門E(頂上の玉皇峰に至る南の入口に当り海抜は1460m)
南天門の先が天街-k
で土産屋、食べ物屋等が軒を連ねています。ここから頂上の玉皇峰Fまでは、更に725の石段が待っています。標高差は80m程で、十八盤を登って来た人にとっては楽な階段です。ただ、この辺りは風が強くしかも寒いですからウインドブレーカー等風よけの衣類が必需です。私はビニールの雨合羽を着てなんとか過ごしました。
では、南天門E
から玉皇峰Fに至るポイントも書いておきます。
天街-k
、唐摩崖-l(巨大な刻石があります。中でも有名なのは、唐の玄宗皇帝の碑文『紀泰山銘』です。高さ13.2m、幅5.7m、合計1008字が唐隷書体で刻まれています。唐の五大帝王の功績が書かれているそうです。)、碧霞祠-m(泰山の女神「碧霞元君」が祀られていて女性や子どもにご利益があるそうです)、玉皇峰F(山頂は狭く多くの人でごった返しています。写真も撮り難い程です。鍵が沢山ぶら下がっていますが日本の絵馬の様な意味合いだそうです)
さて、これで頂上を極めた事になりますが、問題は下りです。登りに比べて、階段の下りは遥かに膝や腰に負担が掛かります。始めはルンルン気分で早足で下ったせいか、終盤には全く足が動かせなくなりました。自分の体力に合わせて、バスやロープウエーを利用するのが良いようです。
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[特記事項]
記載情報の入手日(=旅行日):2011年9月

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.R.HORI & Y.FUNATSU
公開日: 2002.08.10 更新日2015.01.02