堀・船津の中国旅行記
西安2

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西安市の概要については、「西安1」を参照してください。2005年の私たちの旅行は「河西回廊3千キロ」と銘打って西安からウルムチまでのシルクロードの半分を歩いて見る事としました。2006年予定のウルムチ〜カシュガルとあわせてのシルクロード制覇のスタート地点となる西安を、再び訪れる事としました。
西安咸陽国際空港から市内に向かう道路は高速道路が整備
されましたが、市内へ入る道路は従来のままで、余計に渋滞がひどくなった感がありました。ホテルへ向かう途中「絲綢之路起点群像」に立ち寄りました。ここはシルクロードをテーマにした石像が建っている小さな公園で、唐代はシルクロードの出発点となる開遠門があった所です。私達もここをシルクロード走破の出発点とすべく、記念撮影をする事にしたのです。
西安は、紀元前221年に秦の始皇帝が中国を統一(紀元前221〜207年)して以降、漢(紀元前206年〜220年)・唐(618〜907年)など多くの王朝の都が置かれた所です。市内には「鼓楼」
「鐘楼」「大雁塔」「小雁塔」などの堂塔伽藍が立ち並び、郊外には沢山の歴代王朝の見所があります。郊外の代表的な観光ルートは、東線コースと西線コースです。
東線コースの主な見所は「秦の始皇帝陵」
「兵馬俑」「華清池」などがありますが、このコースの詳細は「西安1」で紹介しています。この中で、当時は入れなかった「秦の始皇帝陵」は、今は陵墓の頂上まで上る事ができるようになっており、入口の広場では「稜墓を守る兵士交代の儀式」が再現されていました。東線コースの中の「秦の始皇帝陵」の様子については、左枠内のボタンを押してビデオ映像でご覧ください。
「西安2」では、主に西線コースについて紹介しましょう。このコースの主な見所は「咸陽博物館」「茂陵」「楊貴妃墓」「乾陵」「法門寺」などです。一番遠い「法門寺」までは市内から120キロありますから、車を一日チャーターして周るのが効率的です。往復300キロ以上は走る事になりますから、自分が見たい場所を予め3〜4ヶ所に絞って、決めておく必要があります。旅行会社主催のバスツアーに参加するのも良いでしょう。ここでは西線コースのハイライトとも言うべき「乾陵」と「法門寺」を中心に紹介しましょう。
車は西安市を出て北西に走り、小一時間ほどで秦の始皇帝が都を置いた咸陽市
に入ります。咸陽市を抜けると黄土高原の農村地帯を西に向かって走ります。この辺りには「茂陵」「楊貴妃墓」等の史跡が点在します。この道はシルクロードの旅人や玄奘三蔵が西方を目指した道でもあります。そのような遠い昔に思いを馳せながら、しばし車窓の景色を眺めるのも良いものです。

ボタンをクリックするとビデオ映像がご覧頂けます。

乾陵は西安市の西約90キロのところにあります。唐の三代目の皇帝「高宗」と女帝「則天武后」合葬墓で、海抜1049mの梁山の主峰を利用して造営された陵墓と墓前に至る長さ1キロにも及ぶ神道(司馬道)からなる中国最大の陵墓です。駐車場で車をおり、チケットを買って中に入ると広い神道があり、はるか向こうに陵墓を見ることができます。神道の両側には高さが4mもある墓守の石像が立ち並び、更に、伝説上の動物「翼馬、西方文明とのかかわりを示すダチョウに似た「朱雀」今は首が切り落とされているが61カ国の外国使節の石像「六十一蕃臣像」、則天武后の権力を示したと言われる「無字碑」等が並んでいます。「無字碑」の由来は、則天武后が「自分の死後、石碑には文字を刻むな。自分の業績は、書かずとも業績に語らせればよい」と言い残した事から来ています。陵墓の入口には石碑があり、ここから陵墓に上る事ができますが、かなりの時間を要しますから、時間と相談した方が良いでしょう。馬で山頂まで行くこともできますが有料です。
法門寺
は西安市の西約120キロのところにあります。漢の時代に創建され1800年以上の歴史を持つ古寺です。2000年前インドのアショカ王は仏教を広める為、仏舎利(釈迦牟尼の遺骨)を各地に送ったと伝えられていますが、ここ法門寺もその一つとされています。1987年の修復の際、偶然に地下宮殿の中から指の仏舎利が発見されました。敷地内には法門寺博物館があり、絹織物や金銀細工の珍宝が展示されています。中でも仏舎利が納められていたという八重の宝箱「八重宝函」は必見です。(注)宝箱は内側の7箱だけ現存し、外箱は木製だった為残っていません。
西安1と2で、主な見所は紹介しましたが、最後にもう一ヶ所是非見ておきたいところがあります。イスラム教のモスク「清真大寺」です。清真大寺を見ると、西方のイスラム文化がシルクロードを通って、中国文化に溶け込んでいる様子が分かります。あのイスラム教の丸いドーム屋根のモスクはなく、中国様式のイスラム寺院
なのです。寺院の屋根はイスラムの聖なる青瓦で葺かれ、仏像などの偶像はありません。本殿は西すなはち聖地メッカの方向に建っている等、イスラムの教えに沿って造られているのです。これからシルクロードを旅する私達にとって、イスラム文化と中国文化の交わりを理解する上で、貴重な第一歩となりました。


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[特記事項]
名物-
西安の名物と言えば餃子とシルクロード麺
餃子で有名なのは「徳發長の餃子料理」です。「徳發長」は鐘鼓楼広場
に面した所にあり、餃子専門のレストランです。皇太后がこよなく愛した「太后火鍋」はじめ沢山の種類の餃子料理が堪能できます。店の入口には沢山の餃子の見本が並んでいます
シルクロード麺は、下町の道路脇でも売っています。シルクロードの旅人が、食料として持ち歩いた事からこの名前があります。
観光施設の入場料についてふれておきます。現在は、ほとんどの地域で、外国人料金はなくなりました。中国人も外国人も同料金です。入場料は昨今の観光ブームで、各地とも年々上昇しています。西安地区の入場料は、一ヶ所当り30元から100元くらいかかります。旅行計画を立てる時は、しっかりと予算化しておく必要があります。


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.R.HORI & Y.FUNATSU
公開日: 2002.08.10 更新日2013.03.01