堀・船津の中国旅行記
太原
大同

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山西省の観光のメインは、大同市の郊外にある「雲崗石窟」(ユンクアンスークー)と、朽ち果てて放置されたままの万里の長城「大同古長城(タートンクーチャンジャン)跡です。大同市には空港がない為、北京から大同を目指す事としました。現在大同空港は工事中で数年後には開港される予定ですが、現在は陸路で行くしか方法はありません。私たちは、北京から空路で山西省の省都である太原市に行き、太原市から陸路で大同市を目指す事としました。
山西省は、太行山の西側にあることから、山西の名がついたと言われます。省の西側には黄河が流れる黄土高原の上にあり、省の平均海抜は1,000メートル以上あります。四方は起状の激しい山々に囲まれ、各都市は盆地の部分にあります。
省都太原市は、省内6大盆地の一つにあり、太原は中国語の大平原の意味です。春秋時代の晋国があったところで、軍事の重要な拠点の一つでした。周辺には天竜山石窟や双塔寺などの明代の建築物もありますが、むしろ冬支度の始まった省都の街の様子を見ることにしました。太原の街は駅前の大通り「迎沢大街」が中心となっています。大通りの両側には近代的な高層ビルもありますが、街中ではリヤカーで暖房用の連炭を運ぶ様子もみられました。近くの橋頭街には、老舗のレストランが立ち並んでおり、私たちもそこで山西風鍋料理を食べました。夜は沢山の屋台が並び、一段と活気があふれていました。
翌日大同へ向かうため、長距離バスの発着所からローカルバスに乗りました。地図上では約250kmの距離なのでせいぜい4〜5時間程度と思っていたら大間違いでした。朝9時頃バスに乗ったのですが乗客が満員になるまで出発しないんです。待つ事1時間以上たってやっと出発しました。途中には決まった停留所はなく、乗客が降りる場所をあちらこちらと回り道をするのです。それに私たちが乗ったバスは、年代もののマイクバスで、2000メートル以上の峠をあえぎながら超えて走るのです。結局大同に着いたのは、日も暮れかかった6時過ぎでなんと9時間以上も掛ってしまいました。思わぬ観光とスリルが味わえました。そしてバスの車掌さんに教えてもらった、大同市一のホテル「大同賓館」に宿泊することにしました

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大同市は、山西省北部にあり、標高1000m、砂漠性気候で冬は寒く強風にさられます。400年頃北魏王朝の都として築城され、その時代の文化遺産が雲崗石窟です。又石炭の街としても有名で、道路と言わず、文化遺産と言わず、石炭のススだらけで、お世辞にも綺麗な街とは言えないほどです。宿泊した大同賓館の前にある旅行者で運転手付で車をチャーターしました。運転手は姚建国さんです。
最初に大同古長城を目指しました。大同市の2〜30km北方には、未修復の万里の長城が沢山残っています。訪れる人もなく、ただ風の音だけがします。長城の裏には、当時を思わせる土壁の民家が集まった小さな村ありましたが人影も疎らでした
雲崗石窟は、大同市の西16kmの武周山のふもとにあります。洞窟は53窟、石像は5万余体あると言われます。中国三大石窟の一つで、世界遺産になっています雲崗石窟の特徴は、内蒙古に近く、遊牧民の文化的なにおいがすることでしょう。特に、5.6.9.11.13.16.17.18.19.20は、必見です。
その他、市内には、明代の九龍壁(チューロンピーと言い中国三大九龍壁の一つ)遼金代の華厳寺などがあります。
翌日は、姚さん運転の車で途中観光しながら、大同から太原まで行くことにしました。市内を抜けると畑や草原が広がりますが程なく山道に入って行きます。車窓からは遊牧民族の来襲に備えるための、風火台(フエンホワタイ=のろし台)、古民住(クーミンツー=古い民家)、廣武漢墓群などが見られます。50kmほど南下すると、懸空寺(シィェンコンスー)に着きます。
懸空寺(シィェンコンスー)は、 断崖の中ほど、地面から25〜50mのところに建てられており、北魏の晩期(6世紀)に建立されました。正に空中に浮かぶ寺院と言ったところで、高所恐怖症の人は駄目かも知れません
夕方、太原市のホテル
に到着しました。
車の運転だけでなく、地元の料理などを案内してくれたりで、2日間楽しい旅行を作ってくれた、さんに感謝します。


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[特記事項]
この他の観光地
 
木塔・観音堂・鼓楼善化寺
美味いもの
 山西省と言えば麺(中国では面)が有名。各種の面料理はありますが、ピカ一のお勧めは、大同賓館の隣にあるヨウ面大王(ヨウメンターワン)という店のヨウメンウワウワ(日本語の漢字はありません)。面は6人程のおばさん達が店内で手造りです。生地を薄く小さく伸ばして指に巻いて、長さ2cmくらいのマカロニみたいなものを1個1個造っていき、50個ぐらいで一人分ですから、正に中国的な郷土料理です。これを蒸して羊のスープ(羊肉湯)につけて食べます。羊肉の臭みも無くおいしい。
一般的な庶民の食べ物で、特筆すべきは「鶏蛋餅(ジータンピン)」です。鶏の卵に面粉を混ぜたもので、お好み焼きの生地に良く似ている。
ちなみに、上にあげた二つは、ホテルでは絶対に食べられませんゾ。


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.R.HORI & Y.FUNATSU
公開日: 2002.08.10 更新日2013.03.01