堀・船津の中国旅行記
鄭州 洛陽

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チべット高原に源を発する黄河は、青海省・甘粛省・寧夏回族自治区・内蒙古自治区・陝西省を通り、河南省の北部に達しています。黄河の中下流域一帯は、古来中原と呼ばれ、河南省はその中心に位置しています。「中原を制するものは天下を制する」として、中国の歴史の舞台に度々登場する所です。有名な三国志に登場する魏があった所として知られますが、中国に最初の君主が登場したのも、この地域だったとされています。同省の省都鄭州市から北へ約30km程の所にある黄河遊覧区には、5000年前とされるの中国最初の君主「炎帝」と「黄帝」の巨大な二帝像が建っています。中国文明の花が咲いた所と言えます。
私達の07年の中国旅行は「中国の秋を求めて」と題して中国西南地方を巡る事とし、その旅のスタートとしてここ鄭州市に入りました。
鄭州市の総人口は700万人で、漢族の他、回族・滿族・蒙古族・朝鮮族などの民族が住んでいます。古来より華北と華南を結ぶ交通の要衝として発展してきました。現在でも鉄道は、京広線(北京〜広州)と隴海線(連雲港〜蘭州)の2大鉄道が通っており、中国の交通の要衝となっています。河南省には、鄭州、洛陽、南陽の3つの空港がありますが、中でも鄭州の新鄭州空港は、中国十大空港の一で路線や便数が多く、少林寺・洛陽・南陽など同省内の観光地を目指す人にとっても大変便利な空港です。 また、市内のニ馬路長途汽車站(長距離バスセンター)からは、省内各地へ向かう空調付の長距離バスが頻繁に出ているので利用すると便利です。
<市内の観光地>
市内は、見所というほどの観光地は多くありませんから、半日も観光すれば十分といった所です。むしろ、郊外にある「少林寺 (千古名刹)」「嵩山(世界遺産公園)」や洛陽を目指す拠点として考えた方が良いでしょう。
二七記念塔は、1971年に建てられ、12層で5角形をした高さ63mの記念塔で、鄭州駅から程近い交通量の激しい街の真中に建っています。1923年2月4日、軍閥の支配で苦しむ商人等によって始まったストライキが、2月7日に武力で鎮圧されたことを記念して建てらたものです。
ボタンをクリックすると「ホバークラフトで黄河を走る」のビデオ映像がご覧頂けます。

商城遺跡は、商王朝の都邑(といふ=帝都)があった所で、1955年に発見されました。商王朝は紀元前1600年頃に栄えた王朝で、3600年の歳月でほとんど原型を留めておらず、市内の城東路から城南路にかけて、周囲7キロ程に城壁や土盛りされた丘が断片的に残っているだけです。商城遺跡と書かれた記念碑がある辺りを散策すれば十分でしょう。
黄河遊覧区は、鄭州市から北へ約30km程の所にあります。車なら小一時間で入口に着きます。入口の右側に入場券売り場、左側には15万平方mもある広大な炎黄広場
があり、その広場の中央に立つと南側の山の上に立つ、巨大な炎黄二帝像(5000年前に登場したとされる中国最初の君主「炎帝」と「黄帝」の塑像で高さは106m)を正面から見る事が出来ます。
上流の土砂で黄色に染まった黄河を堪能したければ、ホバークラフト
に乗るのが良いでしょう。ホバークラフトの乗り場は、入口を入ってしばらく歩いた右側にあります。この辺りの河幅は約10キロと広く、また上流から運ばれた土砂で水深が浅くなっており、ホバークラフトが黄河遊覧の足となっています。ホバークラフトは10分ほどかけて、運河をゆっくりと進み黄河に出ます。黄河を20分程進むと、左側に「劉邦と項羽」が対峙したとされる広武山が見えます。ホバークラフトは、しばらく河を爆走したあと、河の中に出来た砂丘の中央まで乗り上げます。ここで一旦下船して、乗客は思い思いに散策すると言う嗜好です。馬方が沢山いて、しつこく馬に乗れと迫ってきます。10元程度ですから、馬の背から黄河の風にあたるのも良いかもしれませんよ。(ここをクリックすると「ホバークラフトによる黄河遊覧の模様」をビデオ映像でご覧頂けます)
私たちは、黄河遊覧区を後に、洛陽行きの長距離バスに乗る為、ニ馬路長途汽車站へ戻りました。洛陽行き14:30発のバスのチケットは朝のうちに既に購入済みだったのですが、なんとこのバス、前触れも無くキャンセルになってしまいました。幸いな事に、次の13:00のバスに空席があって、事なきを得ましたが、なんの案内もないとは、さすがは中国と関心したり腹がたったり・・。
鄭州から洛陽までは、ほとんどが高速道路、途中は、緑豊かな中原の景色
や世界遺産の「嵩山」の山並みも見え、快適なバスドライブでした。
夕方6時近くに、洛陽のバスセンターに到着しました。この続きは、洛陽をご覧下さい。


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[特記事項]

宿泊したホテル:紅珊湖酒店
(鄭州市二馬路20号ー4星ホテル)。長距離バスセンターに近く便利でした。ボーイさんも親切だった
その他の観光地
:河南博物院・少林寺 (千古名刹)・嵩山(世界遺産公園)
新鄭州国際空港から市内までの足:市内から東南に30km。リムジンバス=所要時間は50分。運行時間は6:00〜18:00で、到着便に合わせて1時間に1本程度。料金は16元。 タクシー=所要時間30〜40分程度、料金100〜130元。
ニ馬路長途汽車站から洛陽までの長距離バス:07:00〜18:30に30分ごと運行。料金35元。所要2時間半。
料理の特徴:中国の交通の要衝といわれるだけあって、広東・上海・イスラム料理など、いろんな料理の店がある。
美味いもの:蒸し餃子・小籠包子など種類も多く、値段もピンキリで楽しめる。
特産品:黄河鯉、リンゴ、スイカ、蜂蜜。

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.R.HORI & Y.FUNATSU
公開日: 2002.08.10 更新日2013.03.01