堀・船津の中国旅行記
桂林 龍勝

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龍勝各族自治権は、桂林から西へ約100キロの所、湖南省との省境に位置しています。各族自治権という名の通り、ヤオ族・トン族・チワン族・ミャオ族等の少数民族が住んでいます。中国で最も早い時期に設置された少数民族自治県だそうです。
龍脊梯田(棚田の意味)は、その龍勝県城から27ロ程奥に入った山岳地帯にあります。海拔300m〜1850mの山の斜面の麓から1100m付近まで、一面に広がっており雄大な景色が堪能できます。龍脊梯田の始まりは「元」代とされ、以降少しずつ広げられ「清」代に、ほぼ今の形になったそうです。斜面に一面に広がる段々畑は青空にのぼる「天の梯子」と称されました。棚田の景色は季節によって変化しますが、その様子を、春は春畳銀帯(銀色の帯が畳んでいる様)、夏は夏翻緑浪(緑の波が翻る様)、秋は秋塁金階(金色の階段が積み重なっている様)、冬は冬盤蒼龍(灰色の龍がとぐろを巻いている様)と、称えられています。その中でも最も美しい時期は中秋節の頃で、金色の穂波が目を奪う程です。
私達は、幾つもの村や峠を越えてやっとヤオ族の村に到着しました。ここで入場料を支払うのですが、棚田が一望出来るという和平郷の村までは、そこからさらに山道を30分程も走った所にありました。
ここのヤオ族は、龍勝紅ヤオと呼ばれ、赤い服を着ているのが特徴です。入門ゲートを入り土産店が並んでいる通りを抜けると、すぐに棚田が目に入ってきます。急な斜面に建てられた家々の間の急な石階を登っていきます。かなりの急坂です。途中の道端で、おばさん達が、地元で採れた、赤唐辛子やキノコ、薬草の類などを売っていますから、休憩を兼ねて覗いてみるのも面白いです。到着時は視界を遮っていたガスも、登るにつれて少しずつ晴れてきました。少しずつ視界が広がり、棚田が視界に入ってきました。籠屋のおじさんからも乗らないかと声がかかります。間もなく、展望台に着きました。そこには「天下第一の絶景」という石碑があり、ここからの眺めは、正に天下第一の絶景です。ちょうど、晴れ間ものぞくようになり、雲と棚田の幻想的な風景を堪能する事ができました。
下のをクリックすると、「美しい秋の棚田と紅ヤオ族の髪結いの模様」を動画でご覧いただけます。動画下のをクリックすると全画面表示でご覧いただけます。

この展望台には、民族衣装を身につけた紅ヤオ族のお嬢さん達がいて、一緒に記念撮影(有料ですよ)ができます
私達は、ここから徒歩で頂上まで行ってみました
。そこで、繕い物をしている紅ヤオ族の皆さんに出合いました。人懐っこい彼女達は、自慢の長い髪の結い方を披露してくれました。唄も披露してくれると言うので、了解を取ってビデオに収めました。その様子は、上段のから動画でご覧頂けます。山頂からは、中腹にたたずむヤオ族の村が眺められ、たなびく雲と彼女たちの唄声が相まって、しばし神秘の世界に引き込まれる思いでした。
山を下りる途中、ガイドさんの案内で、中腹のヤオ族の店
で昼食をとる事にしました。自然の中で育った鶏肉中心の料理で、特に鶏肉スープと竹筒飯は絶品で、大満足の昼食が味わえました。念の為ですが、ここでの昼食は事前に予約しておく方が良いようです。ガイドさんが同行する場合は、予めガイドに依頼しておくと良いでしょう。
芦笛岩鐘乳洞
は、龍勝に向かう途中の桂林から7キロ程の所にあります。付近に笛を作る芦が生えている事からこの名が付いたそうです。洞窟の入り口は駐車場から、20〜30mほど登った所にあります。約60万年前に出来たものだそうです。洞窟の深さ(奥行)は240m、天井の最も高い所は18m、最も幅が広い所は93mもあって、巨大な鍾乳洞です。見学通路は、馬蹄形になっていて、見学通路の全長は500m以上あります。最大の見所は中央付近にある巨大な空間が広がる、地下の「大宮殿です。休憩所もありますから、ゆっくり見学できます。その他の見所は、獅嶺朝霞、塔松傲雪、高峡飛濠、原始森林、盤龍宝塔、などです。ここも先に紹介した銀子岩同様、ネオンサインに彩られているので、神秘さには欠けるのが残念です。


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[特記事項]
桂林からの所要時間:車では片道2時間ほどですから、車をチャーターすれば、桂林から日帰り観光が可能です。
特産:赤トウガラシ
美味いもの:竹筒飯
(竹の筒に入れて蒸した味付けご飯)

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.R.HORI & Y.FUNATSU
公開日: 2002.08.10 更新日2013.03.01