堀・船津の中国旅行記
桂林 龍勝

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「中国の秋を求めて」と題した2007年の旅の締めくくりとして、中秋節で賑わう桂林訪ねる事としました。桂林で見る中秋の名月を期待したのですが、滞在中(2泊3日)は生憎の曇り空でした。
桂林の概要ー広西チワン族自治区(省都は南寧市)の北東部にあって中国有数の観光地です。市内は、両江四湖公園を中心に近代的な美しい町並みが整備されています。近くを流れる離江の魚介類を中心とする、桂林伝統の名物料理が数多くあります。味は広東料理で日本人向きの味です。広西チワン族自治区の名の通り、チワン族が多く住んでいますが、その他にも多くの少数民族が住んでいる所でもあり、市内のホテルや劇場では、各種のエンターテイメントが催されています。この辺りは、カルストの大地(石灰岩質の土壌)からなっており、特に桂林周辺は、奇岩や奇峰が林立する美しいカルスト地形で有名です。郊外には、世界有数の鍾乳洞が、幾つもみられます。
桂林への入り方ー有数の観光地だけあって、中国各地から、列車や飛行機の便は沢山あります。私達は空路で成都から桂林に入りました。
桂林の見所は沢山あるのですが、ハイライトは「水墨画の景色を堪能できる離江下り」「チワン族・ヤオ族・ミャオ族など少数民族との出会い」「巨大な鍾乳洞巡り」「郊外の山間部に広がる棚田」などでしょう。この桂林のページでは前の二つを紹介し、後の二つは「龍勝」のページで紹介しましょう。離江下り(以下中国流に「離江遊」と書きます)は、桂林観光のハイライト中のハイライトです。下流の陽朔(ヤンソウ)まで83km、約5時間のクルーズです。両岸には奇岩や奇峰が林立し、水墨画の景色が堪能できます。観光船は、中国人用と外国人用に分かれており(日本人が中国人用の船に乗る事はできません)料金も異なります。予約は宿泊したホテルのビジネスセンターでもできますから予め予約しておいた方が無難です。船乗場は桂林市内から20キロ程下流の竹江村付近に有りますが、個人で申し込んでも、他のグループ等とまとめて乗船するようになるので、ホテルから乗船場までバスの送迎があります。全ての遊覧船は午前9時前後に一斉に出航します。離江遊コースは「ホテル〜船乗場〜離江遊〜陽朔観光〜バスでホテルに戻る」や「ホテル〜船乗場〜離江遊〜陽朔観光〜鍾乳洞〜少数民族園〜バスでホテルに戻る」などいろいろあります。料金はコースや内容にもよりますが昼食付(船内)で500元前後です。では離江遊のハイライトを順番に紹介しましょう。
竹江村船乗場でバスを降りて桟橋に出ると数え切れない程の観光船が並んでいますから、自分が乗る船を間違えないように気をつけましょう。各船には昼食用の食材の積み込み風景も見られます。さて自分の座る席が決まったらいよいよ出航です。上甲板に上がって景色を楽しみましょう。離江遊は大きく3つのステージに分ける事が出来ます。
第一ステージの上流部は川幅も広く、ゆったりとした流れが続き、美しい両岸の奇岩・奇峰の眺めが楽しめます。中国では、離江をたたえて「清奇功変」と言う言葉があります。「離江の水は清らかに澄んで美しく、奇岩や奇鋒は、巧みにその姿を変化させ、美しい景色川面に映し出す」と言った意味らしいです。

下のをクリックすると離江遊のハイライトを動画でお楽しみ頂けます。 動画下のをクリックすると全画面表示でご覧いただけます。

第二ステージの中流部は、両岸に山々が迫り流れはやや速さを増してきます。この辺りは、離江遊の中でも、最も景色が美しいとされる所です。中国の20元紙幣の裏に描かれた景色の場所を通りますから、シャッターチャンスを逃がさないようにしましょう。中国ではここを通り抜けると桃源郷にゆけるという伝説があるほどの景観です。
第三ステージの下流部に入り、そろそろ同じような景色に見飽きて来る頃、昼食の用意
が出来て、船室で中華料理のもてなしがあります。沢ガニのから揚げ等、特別料理も注文できますよ。両岸に目を向けると、人々の暮らしの気配が感じられるようになってきます。間もなく、離江遊の終着点「陽朔」に到着します。
では細かい説明は省略して、離江遊のハイライトは
上段のから動画でご覧いただく事にしましょう。
説明の終わりに離江遊で出会う事が出来る面白い画像を紹介しておきましょう。
「草を食むではなく、川底の水草を食む水牛
」「観光船に接近する物売りの竹筏」「鵜飼いの鵜」「竹筏の水上バス?」「老人と海ではなく、老人と川
陽朔鎮は小さな街ですが外国人(特に白人)に人気があります。その中心は全長1180m、幅8mの西街歩行街で、1400年以上の歴史を持つ古い街です。しかし白い壁や突き出したベランダが特徴の明清様式の建物の中は、現代的なインターネットカフェやレストランを営業している店が多くみられます。外国人も多く住んでおり、外人街とも呼ばれています。私達は陽朔で旅行社のバスに乗って、銀子岩に向かいました

銀子岩は、陽朔から南に20キロ程の所にある巨大な鍾乳洞
です。遊覧できるコースは2キロ程で、下洞・大広間(中洞)・上洞があって、地質学的には階段式鍾乳洞に分類されるらしい。鍾乳石はネオンサインに彩られているので美しいと言えば、言えなくもありませんが、自然の造形の神秘さが感じられないのは残念です。
世外桃源郷は少数民族を紹介するテーマパークで、陽朔から桂林に戻る国道321号線の途中にあります。少数民族の独特の建物や暮らしが再現
され、その生活や文化を紹介しています。園内には湖があり小舟に乗って民族村を巡るスタイルとなっています。可愛いガイドさんが案内してくれますよ。再現された風雨橋が周辺のカルスト台地とあいまって美しい景観を作り出しています。
ホテル到着後、夜の両江四湖
を散策してみました。榕湖と杉湖は、唐代の桂林城の壕の跡で、市の中心部にあります。陽橋を境に、西側に榕湖、東側に杉湖があります。湖の周りに榕の樹と杉の樹が植えられていることから、付けられた名前だそうです。
翌日、私達は車をチャーターして、美しい段々畑が見られるという「龍勝各族自治権」を目指す事にしました。この続きは、龍勝をご覧下さい。


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[特記事項]
その他の観光地:(桂林周辺)独秀峰、七星公園、象鼻山、両江四湖クルーズ、離紅民族風情園(陽朔周辺)蓮花洞、碧蓮洞、聚竜滝、世外桃源、劉三姉水上公園、濱江公園、胡蝶泉、遇竜河、田家河
市内の交通事情:有数の観光地だけあって、市内の交通ツールは多様です。無料バス路線もあるし、公共バスも綺麗で便利です。タクシーもメーター制で台数も多く便利です。ただ残念ながら、渋滞がひどい為、移動に思わぬ時間がかかる事があります。観光するポイントは、事前に厳選しておきましょう。
桂林空港から市内までの足:空港から市内までは約30キロ、リムジンバスなら20元1時間弱、タクシーなら100元強で30分程度です。
エンターテイメント:市内のホテルでも公演を行っているところがあるので、宿泊したホテルなどで尋ねて見るといい。私達が行ったのは、帝苑酒店の民族歌舞(100元)
。その他に、走進龍脊神秘劇場(公園時間70分)、劉三姉文化公演(桂林郊外の大自然を背景に繰り広がられるショーで、公演時間20:00から1時間、開場まで専用車で移動する)、漓江民俗風情園(少数民族の文化や歌舞、食事等にふれる事が出来る) 、等
料理の特徴:桂林は嶺南の要衝に位置していますから、広東・四川・湖南・江西・福建等の料理がごちゃまぜになった感じです。どちらかと言うと味は広東料理に近いかもしれません。
代表的な料理:何といってもまずは「桂林ビーフン」です。安くて美味い。ラーメン・ツァンパー(餅みたいなもの)・もち米のご飯など。海鮮(じゃなくて川鮮?)では桂林田螺(タニシ)・ザリガニ・灘江ビル魚・ピラニヤなど。里芋の蒸かし(あまり美味くない)・里芋と豚の角煮(日本人向き)など、食道楽には珍しいものが一杯ですよ。頑張って食べましょう。


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.R.HORI & Y.FUNATSU
公開日: 2002.08.10 更新日2013.03.01