堀・船津の中国旅行記
黒龍江省
哈爾濱

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6月25日呼和浩特から満州里を経由して夕方17:00に哈爾濱太平国際空港に到着しました。空港から市内までは約50キロ、リムジンバスで小一時間程度です。
ハルビン(哈爾濱)市は黒龍江省の省都で、市の人口は267万人の大都市です。この地方の歴史は古く、紀元前200年頃から後に高句麗の広開土王に滅ぼされる西暦500年頃まで夫余国があった所で、韓国の時代ドラマにもその名が登場します。以降、隋代には靺鞨、唐代には渤海国、清朝の一部となり、日本の占領時代は、関東州に属しました。1909年10月26日に伊藤博文(当時枢密院議長)が、ハルビン駅で安重根に暗殺され事でも知られています。その前の1898年(清代光緒24年)には、ロシア帝国により満洲を横断する東清鉄道が建設され、ロシア人が多く流入しました。その為哈爾濱の街はロシアの風情が多く残った街になっています。
ハルピンの街は、真ん中を(アムール川に注ぐ)松花江
が流れており、河を挟んで南側が市街地、北側は広大な太陽島公園があり市民の憩いの場となっています。
ハルピンの象徴とも言える建設物が聖ソフィア大聖堂です。大聖堂は市街地の中心にありますから、ここから観光を始める事としました。
聖ソフィア大聖堂
は、ソフィスカヤ寺院とも呼ばれ、中央大街の南端付近にあります。ロシア正教会の聖堂で、ハルピンを象徴するロシア建築です。1907年3月に帝政ロシアの軍用教会として創建されたもので、現在は聖堂としては使用されていません。建物の高さは53m、建築面積721m2で、ビザンチン建築様式となっています。
一般に公開されていますから中を見学することができます。色あせてはいますが壁面の装飾
や天井のシャンデリヤは見応えがあります。教会特有のステンドグラスが全く無いのも特徴です。
聖堂の周りは商業施設が建ち並ぶ繁華街で、直ぐ前には「道里采市場」
があります。生鮮食料品や乾物など沢山の商品が並んでいます。ここで高麗人参を買いました。
中央大街
ー大聖堂から西へ500m程歩くと中央大街の通りに出ます。中央大街は経緯街路と新陽路が交差する所から始まります。この交差点付近にあるホリデイインホテルが目印です。ここから北に向かって1.5キロ程の一直線の石畳の道が伸びています。道の両側にはロシア統治時代の欧州風建築物が建ち並んでおり「東方のパリ」とも称されています。この通りの建物群は、左枠内のビデオボタンをクリックしてご覧ください。
夜はライトアップされてお深夜まで賑わっています
。ロシア料理や朝鮮料理店等も沢山あるので、この付近でタクシーを拾うのは大変難しいです。運よく乗れても乗合になってしまう事もありますから、ホテルが遠い場合は早めに戻る事をお奨めします。東北三省のタクシー事情は、最下段の「特記事項」をご覧下さい。

ボタンをクリックすると中央大街・ロープウエイ・ロシアショーをビデオ映像でご覧頂けます。

斯大林(スターリン)公園松花江防洪記念塔ー中央大街を北に向かって歩いていくと斯大林(スターリン)公園があり、その入り口にあたる所に、防洪記念塔が建っています。1957年に起こった松花江洪水の記憶を留めるために建てられたものだそうです
河に沿って斯大林公園
があり美しい緑道が整備されています
ロープウェイ(松花江索道)-松花江の護岸に立つと対岸に太陽島が見えます
。左側には太陽島に渡るロープウェイが見えます。ロープウェイの乗り場は斯大林公園の緑道を左(西)に歩いて行くとあります。太陽島への渡し船(2元)もあります。上左枠内のビデオボタンをクリックするとロープウエイからの松花江をご覧いただけます。
太陽島は、松花江の中の島です。太陽島公園があり多くの人で賑わっています
。冬期には国際氷彫祭りが開催されます。広さは38平方キロと広大です。広い園内を見るには観光車が効率的です。園内には多くの展示館などもありますが、美しい花壇や柳の木、白樺、池などが整備された園内を観光車で一巡りすると気分も爽快です。ロシア帝政時代はロシア人の別荘があった所で園内にはその雰囲気が残っています。
ロシア風情小鎮」(ロシア風住宅を集めたテーマパーク)
は、ロープウェイを下りて園内に入ると直ぐ右側にあります。園内にはロシアの建物や小物なども展示販売されています。入場券がロシアのパスポート型になっているのが面白いですよ。ロシア美人のショーもやっていますからお見逃しなく・・。上左枠内のビデオボタンをクリックするとロシアショーをご覧いただけます。
ハルピンのメインの見所は以上ですが、その他の見所にも簡単にふれておきましょう。
<その他の見所>
極楽寺
は、中央大街から東へ5キロ程(右の地図参照)の所にあります。濱江駅の近くです。極楽寺の前は広い通りになっています。1920年前半に創建された東北三省4大古刹の一つです。境内には五百羅漢、木製の塔、黄金の大仏等があるそうですが、残念がら閉館時間を過ぎていた為、見ることが出来ませんでした。この界隈一帯は南崗文教街と呼ばれ、極楽寺の他に極楽寺塔院、普照寺の3寺院があります。いずれも外からしか見ることが出来ませんでした。閉館時間は16:00なので、中を見たい場合は最初に極楽寺を見てから中央大街に行った方が良さそうです。
文廟
は、極楽寺から徒歩圏内(約20分)で、南通大街を挟んで反対側(東側)にあります。文廟は孔子を祀った廟で中国各地にありますが、ここの文廟は張学良がロシアの教会に対抗して1926年から3年かけて建立したものだそうです。ここも残念ながら閉館時間を過ぎていたので、外から見るだけでした。
翌朝、哈爾濱駅
発9:00発の和階号(中国新幹線の名称です。和階号の説明はここをクリックして下さい)で長春へ向かいました。この続きはここをクリックして「長春」をご覧ください。
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[特記事項]
空港から市内までのアクセス:空港から市内までは約50キロ、リムジンバスは20元で所用時間は小一時間。大型のデラックスバスで快適。
中央大街での両替
東北三省のタクシー事情:タクシー料金は、初乗り運賃3キロまで8元+燃料代1元。近年の経済発展と車の急速な普及によって、市内は渋滞が激しい。タクシー台数も多いが需要に供給が追い付いていないのが現状。昼間の時間は比較的拾い安いが、雨になると全く拾えない。夜の繁華街も同様。タクシー客の需要が多い時は、タクシーは乗合になる。例えば運よくタクシーを拾っても、途中で手を上げている客がいると、行き先を聞いて同じ方向なら、満席になるまで拾って行く。そんな具合だから、目的地に着くまでに倍以上の時間と料金がかかる事もある。乗車拒否も常態化。特に鉄道駅や長距離バス駅の周辺では、20元で行くところでも、50元とか100元とかフッかけてくる。夜の観光(外出)や雨天の観光や移動は、余裕をもって行動する必要がある。
宿泊したホテル:哈爾濱龍達時代酒店
名物料理:ロシアの影響が濃くロシアレストランが沢山ある。また北朝鮮料理もある。餃子類・春餅(クレープの様なもの)・火鍋類の店も多い。ホリデイインハルピン(中央大街の南口付近)の2階レストランでは(世界)バイキングをやっているので個人旅行の場合はいろいろな種類の料理が食べられて助かる。

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.R.HORI & Y.FUNATSU
公開日: 2002.08.10 更新日2013.03.01