堀・船津の中国旅行記
内蒙古自治区
呼和浩特

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2010年6月22日成田から瀋陽空港経由で呼和浩特白塔空港に入りました。瀋陽空港で華厦航空に乗り換え白塔空港到着は21:40頃でした。タクシーでホテルに着いた時は、区都とはいえ地方都市なので、既にホテルのレストランも閉店、街の中も薄暗い状態でした。店を開いていた露店でバナナを買って夕食の代わりにしました。
内蒙古(モンゴル)自治区には、漢族・蒙古族の他、回族・満州族・オロチョン族など49の民族が住んでいます。その区都、呼和浩特市は、人口230万人程と中国の省都としては少ない方です。市の人口の殆どは漢民族であり、モンゴルらしい風情はあまりありません。市内の見所は(後述しますが)チベット仏教寺院位しかありません。モンゴルの風情に触れるには、彼らが多く住んでいる郊外に足をのばす必要があります。しかし、内蒙古の広さは日本の3倍もあり、北はモンゴルとロシアの2国に接し、東は黒龍江省、西は甘粛省に接する程の広さです。とても数日で周りきれるところではないので、現地の大草原ツアーに参加する事としました。私が参加したツアーコースは、呼和浩特市内出発→希拉穆仁(シラムレン)大草原→包頭市→1日目泊→布庫其(クブチ)砂漠→成吉思汗(チンギスハン)陵→呼和浩特市内帰着 でした。まずはこの大草原ツアーから紹介しましょう。
希拉穆仁大草原ー呼和浩特市からS104(省道)号線を北へ約90キロほど走った所にあります。ツアーバスで約2時間位です。途中から草原の道に入ると言いたいところですが、どちらかと言うとゴビ砂漠に近い景色になります。ガイドの話では、呼和浩特周辺では開発と観光化が進み、緑の大草原は全く見られなくなっているそうです。モンゴルの遊牧民は遊牧より観光を生業とするようになり、水の大量消費により砂漠化がどんどん進んでいるとの事でした。
入口に着くとモンゴル衣装の小姐お兄さん達がモンゴル民謡で出迎えます。強いお酒が振る舞われますから飲めない人は丁寧にご遠慮しましょう。
大草原ツアーのプログラムは、到着後2時間ほど馬に乗って草原の散策(オプション料金)→入口にある巨大なパオで昼食→午後はパオの前にある広場で、モンゴル相撲や競馬の出し物と言った内容です。午前の乗馬による草原散策はいくつかのコースがあります。牧民居(遊牧民の家を訪ねる)・天鵝湖・沼澤地などの複数の場所を馬で周るコースです。安いもので240元〜500元まであります。あまりに高いので、ツアーバス同乗者で値引き交渉
して、牧民居まで行くコースを150元に値切りました。馬に乗って草原(ゴビ砂漠?)を行くこと小一時間、牧民居に着きました。ここで簡単な民族食のもてなしがありますが、特に面白くもなかったので、牧民居の周りの草原を歩いてみました。想像した「緑の草原」には程遠いものでした
復路は、馬子が引っ張って馬は駆け足になります。客サービスの一環と思いますが、初めての者には結構怖いですよ。出発地点に戻った時は、お尻がヒリヒリでした。(その後の話ですが、お尻の皮が剥けていて治るまで1週間かかりました。乗馬コースは、乗馬初心者は一番短いもので充分なようです。念の為)

下のをクリックすると希拉穆仁大草原での乗馬やモンゴル相撲、布庫其砂漠の雄大な眺めを動画でご覧いただけます。動画下のをクリックすると全画面表示でご覧いただけます。

昼食は巨大パオで取ります。民族衣装の小姐が声高らかに歌い、観光客の話し声と相まってとても賑やかです。間もなく子羊の丸焼きが出てきます。この丸焼きは、羊に感謝を表す儀式の後、切り分けられて各テーブルに運ばれます。羊肉は予約制で、事前にバスの中でガイドが希望を聞いてきますから、食べたい場合は頼んでおく必要があります。ただ値段は560元で、一人ではとても食べ切れる量ではないので、何人か共同で頼むと良いです。肉好きにはなかなかのものですが、一切れがこれまたデッカイので、2〜3切れも食べるともう一杯でした。
昼食後は、巨大パオ前の広場で、アトラクションがあります。最初はモンゴル相撲
です。その後は、モンゴル競馬があります。いずれも観光用に用意されたものですが2時間程度です。この模様は上段のから動画でご覧頂けます。
15時過ぎ、ツアーバスは包頭市へ向かいましたツアーバスは呼包高速を西に向かいます。右手(北側)に美しい陰山山脈を見ながら走ります。呼和浩特から包頭は約170キロ、2時間半程かかります。包頭から国道G210号線に入り南下、10数キロ走ると黄河に出会います。
呼和浩特近郊の地形ー呼和浩特市や包頭市は標高1000mの河套高原にあります。河套高原の北側には陰山山脈が東西に連なり、南には黄河が西から東に流れています。この黄河を渡るとその南側は、オルドス(鄂爾多斯)高原と呼ばれる地域です。オルドス高原の北側(黄河の南)は、総面積約18600平方キロに及ぶ中国第7位の布庫其(クブチ)砂漠が広がっています。この中心に位置するのが包頭市の南120キロ程の所にあるオルドス市です。夕方、バスはこの日の宿泊地オルドスに着きました。
庫布其沙漠旅遊景区ー風景区に到着するとまず入口の前にある売店で布製ブーツ(有料10元)を借りて履きます。風景区内は広大ですからジープや20人乗り位の砂漠越野車(砂漠走行専用車/有料60元)などで移動します。観光施設も動物園・ラクダツアー・砂滑りなど複数あり、料金もそれぞれ異なりますから、自分の行きたいコースを決めてからチケット売り場で購入します。私が選択したコースは、砂漠越野車(モービル)で砂漠を横断するコースでした。入口から砂漠中央にある高い峰を超えて、景区(入口の反対側)まで行きます。中間点の高い峰に登ると雄大な砂漠が堪能できます
砂漠横断の模様は上段のから動画でご覧頂けます。
終点の景点に着くと目の前に砂丘があり
徒歩で登れます。ここにラクダ乗り場もあります。景区の後ろは急な砂の斜面になっており、この斜面を下りた所に、入口に戻る車の乗り場があります。この斜面を下りる手段として、リフト・砂ソリ(どちらも有料)があります。もちろん徒歩でも下りられますが、足が滑るので注意して下りましょう。


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成吉思汗陵(チンギスハン陵)ーは、庫布其沙漠旅遊景区から国道G210号線を30キロ南下した甘徳利草原の中にあります。成吉思汗の墓は未だ発見されておらず、陵墓と自負している場所はモンゴル共和国や中国国内に数か所あります。ここの陵は、オルドス市が豊富な地下資源から得た財力で近年この地に造営したものです。公式な説明では、成吉思汗とその三人の妻の棺が安置されているとなっていますが、多分成吉思汗の遺骨は?。以下の説明は右の配置図を見ながら読んで下さい。陵は大きく2つの施設に分れます。一つは成吉思汗を祭っているとされる陵宮(9)と2005年に公開が始まった蒙古歴史文化博物館をメインとするテーマパーク(1〜7)です。博物館(6)の展示面積だけでも5800uだそうですから、2つの施設を合わせると10キロ四方にもなろうかという巨大さです。駐車場があるテーマパークの入口(1)から出口まで3キロ位ありそうです。更に上り坂を2〜3キロ程(8)登った所に陵墓(9)があります。直線でも往復で10キロ以上はあります。各施設を見て回ると何キロ歩くのか想像もできません。簡単に入口から順に各施設を紹介しますから、実際に行かれる方は的を絞った方が良いでしょう。
駐車場(1)→入場券売り場(1)→成吉思汗モニュメント(2)→鉄馬金帳(鉄製の蒙古騎馬軍団を再現したもの)(3)→金色のパオ(中は写真撮影(有料)と土産品売場がある)(3)→亜欧版図(地面にアジアとヨーロッパ地図が絵が画れた場所)(4)→蒙古人家(5)→蒙古歴史文化博物館(6)(中でも蒙古族民族の歴史を描いた長さ206mの油絵は圧巻)→成吉思汗中心広場(7)→2キロ程の上り坂を歩く(8)→成吉思汗陵宮(9)
博物館(6)から入場券売り場(1)までは電動カート(有料)があります。博物館を出た所にカートの乗車券を買う所があります。成吉思汗陵宮から入場券売り場にもどる電動カートは無いようです。ガイドの話では成吉思汗陵宮(9)
にも駐車場と入場口はあるそうです。
成吉思汗陵を15:00過ぎに出発しツアーバスで呼和浩特に戻りました。一泊2日のツアーでした。運転手君と親しくなれたのが良い思い出となりました。2日間の運転ご苦労様でした。
翌日は12:20の飛行機で哈爾濱に向かう為、早起きしてタクシーで市内の寺院を回りました。市街地は狭いのでタクシーで簡単に周れます。時間があれば歩きでも良さそうです。
金剛座舎利宝塔ー呼和浩特駅からは南西へ2キロほど行ったところにあります。メインは五塔寺(ウータースー)、清代の建築でチベット仏教寺院です。5つの塔がある屋上まで登ることができ、寺の内外を見渡せます。壁面には1600体の仏像が彫刻されています。
大召ー五塔寺から直ぐの所にあります。蒙古族土黙特部落の首領アラタンハンによって、明代の1579年に創建された呼和浩特一の古寺です。銀の釈迦牟尼像・竜紋彫刻・壁画は、寺の三種絶品と称されます。
二つの寺を見た後、タクシーで市内の大通りを眺めながら白塔空港に向かいました。空港の近くに白塔がありますが、時間切れでした。
呼和浩特発12:20のMU2637で哈爾濱に向かいました。モンゴルの大平原を空から眺めたく、ロシアとの国境の街「満州里」を経由する飛行機を選びました。この続きはここをクリックして「満州里」をご覧ください。
<その他の見所>
呼和浩特博物館ー1957年に建てられた市の中心部に位置する内モンゴル最大の綜合博物館。アジア一大きい恐竜の化石がある。呼和浩特駅から南東へ約1キロ。呼和浩特市新華大街2号
白塔ー正式名称は「万部華厳経塔」。遼の時代の聖宗年間に建てられた高さ50mの塔。8角7層の楼閣式木塔。市街地からタクシーで約30〜40分、呼和浩特空港に近い。
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[特記事項]
空港から市内までのアクセス:呼和浩特白塔空港から市内まで15キロ。タクシー30元・リムジンバス5元で所要時間は30分程度。


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宿泊したホテル:内蒙古金太陽大酒店
希拉穆仁草原(シラムレン xi la mu ren caoyuan)ツアー代金
:980元。日語ガイド料は200元。ツアー代金に含まれるものは、ホテル出発から到着までの(マイクロ)バス料金、昼食・夕食・朝食・昼食の4食、途中1泊のホテル代、入場料等です。観光施設内の乗り物等は各自負担です。
パオとゲルの違い:どちらも、モンゴル人の組立式テントですが、モンゴル語がゲルで、中国語がパオ(包)。
名物料理:羊料理が中心。羊の丸焼き、しゃぶしゃぶ等。ラクダの掌料理もあるらしいが食べる機会がなかった。

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.R.HORI & Y.FUNATSU
公開日: 2002.08.10 更新日2013.03.01